盲点と推測を排除し、監視ツールの切り替えの手間を省きましょう。Splunk Observability CloudとAI Assistantを使えば、1つのソリューションですべてのメトリクス、ログ、トレースを自動的に相関付けることができます。
重要なポイント
ブラウザ外形テストは、オブザーバビリティスタックにおける特に強力なツールの1つです。実際のユーザーフローやバックエンドでのやり取りをテストに反映させることで、以下が可能になります。
この記事では、「外形監視を正しく行う方法」シリーズのベストプラクティス1「目的を持って設計する」についてご説明します。
このベストプラクティスは、明確さ、測定可能性、ビジネス価値を考慮に入れながら、目的を明確にしてそれぞれの外形テストを設計することに重点を置いています。まずは、顧客とビジネスにとって特に重要なフローを反映した、短く重要度の高いユーザージャーニーのマッピングから始めます。ここで大切なのは、クリック、フォーム入力、メニュー選択など、実際のユーザー操作に基づいてジャーニーを構築することです。
最終的なURLを直接呼び出す方が手っ取り早いと思うかもしれませんが、その方法では実際にユーザーが体験するステップを省いてしまうことになります。テストでクリックストリームを完全にシミュレートすることで、最終ページが正常に読み込まれるだけでなく、検索バーやナビゲーションメニューなどの重要コンポーネントも期待どおりに動作していることを確認できます。
必要なステップを特定したら、それらをグループ化して合成トランザクションにまとめます。目的は、ビジネスクリティカルなワークフローごとに、処理時間、リクエスト数、サイズなどのメトリクスを測定できるようにすることです。最後に、重要なバックエンドサービスを呼び出すようにテストを設計します。これにより、トラフィックが少ない時間帯でも、RUMやAPMなどの受動的な監視ツールで十分な量のデータを継続的に受信できるようにします。
以下では、これらの各手順について詳しく説明します。
外形テストが適切に設計されていないと、ノイズが発生したり、関係のない理由でテストが中断したり、問題の根本原因を推測で判断しなければならなくなったりします。目的を持ってテストを設計することには、以下のメリットがあります。
このアプローチにより、外形監視が、単なる稼働状況のチェックを超えて、フロントエンドとバックエンドの両方の健全性を常時伝える強力なシグナルとして機能するようになります。
ユーザーまたは製品マネージャーと相談しながら、よく使われる重要なクリックストリームを特定します。これらのクリックストリームを文書化するか、Webexなどのツールを使ってセッションを記録し、実際のユーザーの行動をマッピングします。目標は、ユーザーが実行する可能性のあるすべての操作ではなく(それを記録するのはRUMの仕事です)、重要度の高いユーザージャーニーを記録して理解することです。
業種別の重要度の高いユーザージャーニーの例:
| 業種 | 重要度の高いユーザージャーニーの例 |
|---|---|
| リテール(小売り) | ホームページ→商品検索→カートに追加→決済 |
| 金融 | ログイン→口座を表示→送金 |
| 医療・ヘルスケア | ログイン→診断結果を表示→医療機関にメッセージを送信 |
| SaaS / B2B | ログイン→ダッシュボードを読み込み→レポートを作成 |
| 旅行 | フライトを検索→オプションを選択→予約と支払い |
ユーザージャーニーが理解できたら、外形テストを構築できます。その際には、Splunk Observability Cloudの標準サポート機能を活用し、Chrome Recorder経由でブラウザ操作をSplunkに直接インポートします。これらの短いフローは、リンククリック、データ入力、ドロップダウンメニュー選択など、個々のインタラクションからなるステップ群で構築されます。
テストが稼働状態になると、Splunkがトランザクション実行をリアルタイムで記録し、100ミリ秒、500ミリ秒、または1秒間隔でキャプチャされたスクリーンショットによるフィルムストリップビューが生成されます。
次に、ステップを合成トランザクションにまとめます。各トランザクションは、ログインや決済など、ビジネスクリティカルなユーザーフローに対応しています。
これは、目的を持った設計の要となる部分です。エンドツーエンドのワークフロー全体(検索、カートへの追加、決済など)を対象にした1つの大規模なテストを作成するよりも、焦点を絞った複数のトランザクションに分割する方が合理的です。これにより、ユーザージャーニーの重要な部分を切り分けて、効果的にテストおよび監視できます。
この2つの観点を組み合わせることで、問題が特定のページだけで起こるのか、またはワークフローのステップを重ねることで起こるのかを判断できます。1つのテストを複数のトランザクションに分けることで、コンテキストを失うことなく個々のワークフローを測定できます。
ブラウザ外形テストは、実際のユーザーがフロントエンドを現在操作しているかどうかとは関わりなく、一定の間隔で24時間365日実行されます。このアクティブ監視のアプローチにより、ユーザーアクティビティが少ないときやまったくないときでもテストを行って、重要度の高いユーザージャーニーを継続的にテストできます。
外形テストを適切に構成すれば、これらのジャーニーに影響を及ぼす問題をリアルタイムで検出できます。これにより、プロアクティブな対応が可能になり、顧客が問題に気づく前に調査と修復を開始できます。
問題が検出された場合、対応担当者は、外形テストのフィルムストリップを見ることで問題を確認できます。次に、根本原因を特定し、実際のユーザーへの影響がある場合にはそれを評価します。
Splunkでは、これらすべてが関連付けられ、実行した外形テストから関連するRUMセッションやAPMトレースに直接アクセスできるディープリンクが提供されます。これにより、コンテキストを失うことなく、検出から、影響の評価、根本原因分析まで、ジャーニー全体をリアルタイムで追跡できます。
目的を持った設計とは、重要なユーザージャーニーに沿った、短く、明確な構造を持つ外形テストを構築することを意味します。実際のステップを把握し、それを意味のあるトランザクションにグループ化して、受動的な監視ツールと統合することで、プロアクティブで精度が高い実用的なフィードバックループを構築できます。
外形テストを実装することで、サポートチケットが届く前に、問題がどこで発生し、ユーザーにどのような影響があり、修正をどこから始めるべきかを把握できるようになれば、外形テストはオブザーバビリティスタックにおける価値ある資産の1つになります。
次のステップ:組織の環境内の重要度の高いユーザージャーニーを1つ選択して、このアプローチを適用します。Splunk Synthetic Monitoringを使ってそのジャーニーを記録し、トランザクションを定義し、RUMやAPMとリンクさせてエンドツーエンドで可視化してみましょう。Splunk Observability Cloudをご利用でない場合は、無料トライアル版をお試しいただけます。