パフォーマンスプレイブック:ビジネスコンテキストが顧客中心の可視化の鍵となる理由
Leadership Seema Haji今日の企業運営の基盤となっているのは、アプリケーションだけでなく、デジタルのビジネスプロセスです。チェックアウト、注文処理、請求処理、決済、融資の承認は、単なるバックエンドのワークフローではありません。これらは収益を生み出すエンジンであり、ビジネスを形作るカスタマーエクスペリエンスそのものなのです。
ところが、オブザーバビリティツールの多くでは、成功を測定するのは相変わらずシステム視点の、稼働時間、レイテンシー、CPU使用率といったものです。こうした数値によって、サービスが遅延していることは分かります。しかし、どのビジネスプロセスが影響を受けているのか、問題がもたらすコストはいくらになるのか、どの顧客に影響が及んでいるのかまでは分かりません。それぞれのチームは、問題によって影響を受けているのがモバイルユーザーか、それとも特定のブラウザ、主要地域、または優良セグメントなのかを把握する必要があります。なぜなら、ビジネスリスクはすべてのインシデントで同じわけではないからです。
デジタルエコシステムの複雑化が進むなか、差別化要因となるのは可視化だけではありません。違いを生むのはコンテキストです。オブザーバビリティは、ビジネスコンテキストが伴わなくてはノイズでしかありません。そうなると、チームは影響ではなく症状に注力することになります。重要なのは、顧客が何を気にしているのかを理解し、顧客にとって真に大切な問題に対応することです。
手探りの対応は困難
オブザーバビリティのアプローチは従来、サービスではなくシステムを念頭に設計されていました。今日、多くのチームは数百ものマイクロサービスにわたって異常を追跡しています。しかし、それらのシステムが実際にどのビジネスワークフローを支えているのかは理解していません。
その結果、視界がない状態で手探りでの問題対応に追われることになります。
- 現場のチームが、ビジネスへの影響を理解しないままにアラートをトリアージします。
- エンジニアが重要でない問題に時間を費やしている間に、収益を生むプロセスが劣化していきます。
- 経営陣の目に入る報告では、システム停止が、顧客や財務への影響ではなく、技術的な観点から記載されています。
さまざまな業界において、共通して見られる限界があります。オブザーバビリティツールの多くでは、システムの健全性までしか把握できません。こうしたツールは優れたテレメトリを提供しますが、そうしたシグナルがビジネスパフォーマンスにどう影響するのかをコンテキストに基づいて理解する機能は不十分です。プラットフォームのいくつかは、ビジネスフローへの基礎的な可視化を提供しています。ただし、それは事前定義された柔軟性に欠けるテンプレートを通してのみというかたちです。ほかのプラットフォームでは、ゴールデンシグナルやトレースといった技術的な要素に重点を絞ったものもあります。しかし、サービスをグループ化してより大局的なビジネスジャーニーに位置付けるのは難しくなっています。さらに、オープンフレームワークでは多くの場合、可視化をプロセスレベルでシミュレーションするだけでも、ダッシュボードやプラグインを手動で組み合わせる必要があります。
結論を申しあげましょう。多くのツールは壊れた箇所は示せても、それがビジネスに及ぼす影響までは教えてくれないのです。
新たな戦略:ビジネスコンテキストをオブザーバビリティに組み込む
Splunk Observabilityでは、経営陣向けダッシュボードやワークフロービューによって、全体像からスタートできます。これらの機能では、チェックアウト、決済処理、請求処理といった主なビジネスサービスの健全性を確認できます。そこからパフォーマンスの低下を徹底的に追跡して、原因となったビジネスプロセス、アプリケーションの依存関係、コード行にまでたどり着けます。
Splunkは、メトリクス、トレース、ログ、リアルユーザーデータ、ビジネスKPIを連携して一元化します。これにより、テレメトリデータをビジネスコンテキストによって簡単に強化して、技術的なパフォーマンスを収益、コンバージョン、顧客満足度などの成果に関連付けることができます。こうして視界が開けることで、エンジニアから運用担当、経営陣まであらゆるチームは、明確な把握に基づいて真に重要な課題に集中できるようになります。
Splunkはシスコグループの一員として、シスコの広範なネットワークおよびセキュリティエコシステムとの統合を進め、この可視化をさらに拡大しています。ThousandEyes、Meraki、Catalystをはじめとするシスコのテクノロジーから得られるデータは、ネットワークパフォーマンスとデジタルエクスペリエンスに関する詳細で相関付けられたインサイトを生み出します。Splunkとシスコの連携により、比類のないコンテキストがデジタルスタックの全レイヤーにわたって実現します。その範囲は、ユーザーのデバイスやネットワーク経路から、クラウドサービス、バックエンドアプリケーションにまで及びます。これにより、チームはこれまで以上にすばやく問題を発見して理解し、解決できるようになります。
具体的な活用方法を見てみましょう。
- テレメトリにビジネスコンテキストを付与:技術的なシグナルとKPIの相関付けを行い、ビジネスへの影響が最も大きいのはどの問題なのかを把握します。
- 最重要事項を優先:優良顧客、特定の店舗や地域、重要なマーケティングキャンペーンに影響するインシデントを即座に特定します。
- エンドツーエンドのワークフローを可視化:サービス、アプリケーション、インフラの接続関係を、次世代AIやSaaSのプラットフォームも含めたクラウド環境、ハイブリッド環境、サードパーティ環境にわたって把握します。
- ビジネス定義による柔軟なカスタム指標を追跡:お客様にとっての最重要事項を測定します。これには、使用量ベースで透明性が高く、ニーズに合わせて拡張しやすいオプションが利用できます。
精選されたビジネスジャーニー、KPIベースのダッシュボード、シスコのポートフォリオからの統合インサイトのいずれを使う場合でも、Splunkは他社ソリューションとは一線を画します。Splunkだけが、技術的パフォーマンスがどのようにビジネス成果を促進するのかについて、包括的かつ統合的な理解を提供できます。組織はこれによって、リアクティブなトラブルシューティングから、コンテキストに導かれたプロアクティブな意思決定への移行を実現できます。こうして、オブザーバビリティをビジネスパフォーマンスの真の推進力とすることが可能になるのです。
成果の大規模な実現
どの業界においても、先進的な組織はSplunkを活用して技術的パフォーマンスとビジネス成果を結び付けています。このことは結果を見れば明らかです。こうした先駆的な企業はいずれも、従来の監視の枠組みを超えて、より強力な手法へと移行しています。すなわち、ビジネスコンテキストに基づいて運用上の意思決定を行うということです。
- Progressive Insurance社は、Splunk Observabilityを活用し、保険金申請のワークフローにシステムパフォーマンスが及ぼす影響を把握しています。1日あたり1,500万件ものWebリクエストを処理しつつ、完全忠実な可視化を800万件のトレースに対して行い、申請処理の遅延が起きる前に問題を解決しています。これにより、顧客のエクスペリエンスを守るとともに、ダウンタイムで発生しうる数百万ドルの損失を回避しています。
- Papa Johns社は、デジタル運用にSplunkを活用し、注文量、店舗パフォーマンス、カスタマーエクスペリエンスなどの重要な指標に基づいた運用を行っています。5,500を超える店舗が可視化されており、各チームはサービスの品質低下をリアルタイムで特定し、リリースの問題を当日中に修正できます。売り上げの9割がオンラインで発生するなか、こうしてデジタル注文の信頼性を維持しています。
- 2xConnect社は、ビジネスコンテキストに基づくダッシュボードを利用して、技術的な問題がコールセンターの生産性や収益向上に与える影響を把握しています。Splunkの導入により、ダウンタイムを60%削減し、大規模なクラウド移行中も100%の稼働率を維持しました。さらに、ビジネスに即したインサイトによってアプリケーションの隠れたバグを発見して修正し、コンバージョン率を20%向上させました。
- ニュージャージー工科大学(NJIT)は、サービスの健全性を学生や教職員の成果に直接結び付けています。KPI主導型のダッシュボードによって、インシデントが実際に登録システム、財務システム、学習システムに及ぼす影響を可視化することで、MTTDとMTTRで2桁の短縮を達成したうえ、学期中の大切な時期に99.99%の可用性を維持しました。
インサイト:オブザーバビリティをビジネスの基盤にする
CIO、CTO、デジタルリーダーにとって、オブザーバビリティの次の時代の主眼は、システム稼働の維持ではありません。目指すべきは、ビジネスパフォーマンスの維持です。
Splunkは、経営陣向けダッシュボードからコードの行に至るまで、組織が点と点を結び付けるための支援をします。これにより、各チームがビジネスの真の推進力を見据えて理解したうえで、的確な行動がとれるようになります。
ダウンタイムの1秒1秒が収益と評判に影響を及ぼすこの世界では、ビジネスコンテキストは単なる機能ではなく、リーダーシップに必須の条件なのです。
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