「log (ログ)」という言葉は、ログの中のデータが秘める価値を意図せず軽く見せてしまっているかもしれません。「ビッグデータ」という言葉が流行し始めたとき、その実体は謎に包まれていました。しかし、その謎をひとつずつ紐解いていくと、ビッグデータとは結局、新しいデータソースから生み出され、以前は可視化できずに見過ごされていた問題に対処するために使われる、複雑で大規模なデータセットに過ぎません。この考え方をSplunkのデータの概念に当てはめると、理論的には、「ただのログ」と呼ばれがちなこのデータも、ビッグデータの一種ということになります。このログデータこそが、システム内のあらゆるやり取り、イベント、異常を記録する貴重な情報の宝庫なのです。ビッグデータを使えば、新しいソースの複雑なデータを活用して予期しない問題に対処できるようになり、ログデータを使えば、システムのパフォーマンスを把握し、セキュリティ侵害を特定して、運用効率を最適化できるとしたら、言葉から受ける印象以外に、この2つの間に違いはあるのでしょうか?
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先ほど、ログデータが「単なるログ」と呼ばれがちだと申し上げましたが、これは大きな問題です。なぜなら、ログデータの真価を理解することは、ビッグデータ、SOC、オブザーバビリティの観点で組織全体の健全性を把握するために不可欠だからです。この3つの領域のアナリストがそれぞれどのような仕事をしているのかを簡単に見るだけで、それがよく理解できるでしょう。仕事の内容が似ていることは明白で、何を探しているのかわからないまま調査を開始する点は共通しています。それは常に「えっ、ちょっと待って、これは何?」の状態から始まります。この点については後ほど詳しく説明するとして、まずは各アナリストの仕事内容を見ていきましょう。
組織が所有および保存している大量のデータを調査、分析し、所見をレポートにまとめます。
アラートを調査し、不審なアクティビティを分析して、さまざまなツールを使って詳細な分析を実施します。
データを収集、分析、解釈して、システムのパフォーマンスを把握します。
このとおり、仕事の内容は非常によく似ています。実際、これらの内容は「互換性がある」と言ってよいでしょう。要するに、各アナリストに求められるのは、データを調査および分析してビジネス成果の達成を支援することです。ログデータは過去と現在の両方の観点で大きな価値を持ち、その価値を引き出すことができれば、組織の将来の方向性を左右するビジネス上の意思決定に役立ちます。こうした点を踏まえると、ビッグデータとログデータは同等の価値を提供し、実際には同じものであるという考え方にご納得いただけるかもしれません。
Splunkは、さまざまなタイプのデータを取り込んで重要なインサイトを提供します。このインサイトは、前述のいずれのアナリストにとっても価値があり、ビジネス成果の達成に役立てることができます。ここでは一般的なデータソースをご紹介しますが、環境は組織によって異なり、ここで取り上げていないデータソースが存在する場合もあるでしょう。しかし、心配する必要はありません。Splunkなら、あらゆるデータソースを取り込んで正規化できます。
ログデータは、システム、アプリケーション、ネットワークデバイス、エンドポイントで発生したイベントのデジタル記録です。
テレメトリは、データを収集して分析し、システムのパフォーマンスに関するインサイトを得るためのシステムです。一般的なテレメトリデータのタイプには以下のものがあります。
お気づきかもしれませんが、テレメトリデータ、ログデータ、その他のデータソースの間には常に重複する要素があります。役割はそれぞれ異なりますが、最終的には同じ成果を目指して使用されます。その成果とは、たとえばシステムの稼働状態の維持、ネットワークのセキュリティの確保、過去のデータに基づく将来の予測などです。ログデータとテレメトリはどちらも、ビジネス運用の生産性と持続可能性を維持するために不可欠です。ログデータは多くの業界で幅広く活用され、ヘルスケア、天気予報、農業、各種の研究など、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。ログデータとテレメトリの重要性を示す例としては、血圧や心拍数など、患者の健康状態に関する指標が挙げられます。
ここまで、ログデータとテレメトリデータの類似点を説明してきましたが、「単なるログ」というものは存在しないことがおわかりいただけたでしょうか。ログは組織の成功に不可欠なデータです。これまでの説明で、ログデータとテレメトリデータのデータソースの類似点と相違点についてもご理解いただけたと思います。
次回のブログ記事では、Splunk Asset and Risk Intelligenceを使って既存の資産データの価値を高める方法をご紹介します。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は1,020を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキストに基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。