Splunkには最近、「SplunkはAIを何に使っているのか?」という質問が、本当にたくさん寄せられます。企業の経営幹部であれば誰もが、自社の戦略的パートナーであるベンダーがAIをどのように使って成果とエクスペリエンスを向上させているのかを知りたいと思い、答えを求めているでしょう。このブログ記事では、SplunkがAIを何に使っているのかをご紹介します。
SplunkはAIを何に使っているのかについてお話しする前に、AIの定義を確認しておきましょう。「DevOps」、「ビッグデータ」、「クラウドコンピューティング」、「デジタルトランスフォーメーション」など、大きなトレンドになった多くのテクノロジーと同様に、AI (人工知能)もあいまいな用語であり、人によって解釈が異なります。その中で、Splunkでの定義はこちらです。
最も広い意味では、AIとはコンピューターソフトウェアが人間の推論と行動を模倣する能力を指します。
AIをテクノロジーの非常に狭い領域に絞って、ニューラルネットワークや生成AIなどと解釈する人もいるかもしれませんが、Splunkはその立場をとりません。上記の広い定義を使うことで、AIをさまざまな階層の機能に活用できるようになり、データ分析で最大限の成果を得られるのです。

ChatGPTの流行が「AIゴールドラッシュ」を巻き起こし、今日ではベンダーがこぞってAIを自社の製品やサービスに組み込もうと躍起になっています。しかし多くの場合は、具体的な機能や成果よりも、マーケティングや宣伝に重点が置かれています。Splunkは、AIと機械学習をプラットフォームだけでなく、セキュリティアプリケーションやオブザーバビリティアプリケーションにも組み込んできました。また、開発者向けにSplunk AI Toolkit*を提供して、Splunk® EnterpriseやSplunk® Cloud Platformに取り込んだデータに対して一般的な機械学習処理を適用できるようにもしています。SplunkのAIイノベーションは、大きく5つの重点領域で見ると分かりやすいでしょう。

Splunkのセキュリティ製品とオブザーバビリティ製品には、数多くのインテリジェントな機能が組み込まれています。これは機械学習アルゴリズムや高度な統計分析、データ処理によって支えられています。そうした機能のおかげで、データサイエンスに関する高度な知識がなくても、「ボタンを押す」ような手軽さでAIを利用できます。Splunk製品に組み込まれた「簡単AI」の機能は、サイバーセキュリティから、IT運用、アプリケーション開発にわたるものですが、その内容を少しだけご紹介します。
サイバーセキュリティ向けの組み込みAI機能
IT運用向けの組み込みAI機能
アプリケーション向けの組み込みAI機能
AIを活用した自社独自の検出や分析の開発に挑戦してみようとお考えでしたら、Splunkがサポートいたします。Splunk AI Toolkit Appを使えば、誰でも簡単に機械学習を使いこなせます。このAppはSplunkBaseから無料でダウンロードできます。使いやすいアシスタントを通じて、一般的な機械学習処理をすばやくトレーニングしてデプロイ可能です。たとえば、他のフィールドに基づくフィールド値の予測、データセット内の外れ値の検出、過去の値に基づく今後の値の予測、関連するイベントのクラスタリングなどについてトレーニングできます。
ここまで読んで、この種のAIには興味をお持ちでなかった皆様もおられるでしょう。ご安心ください。Splunkは、データサイエンスの高度なユースケース向けに、Splunk® Data Science and Deep Learning (DSDL) Appを提供しています。こちらも無料でダウンロードできます。DSDLを使えば、自社環境に取り込んだデータを使ってディープラーニングモデルをトレーニングし、推論を実行できます。Splunk AI Toolkitと同様に、DSDLでもサンプルが提供されており、さまざまなディープラーニングアルゴリズムの使い方を学べます。また、Jupyter Notebook、PyTorch、TensorFlow、GPUコンピューティングなど、業界標準のツールやライブラリをデータサイエンティストが利用することもできます。

Splunkは、AIに関する理念の中核に「オープン性と拡張性」を据えながら、プラットフォームへのAIの組み込みを進めています。この理念に沿って、お客様やパートナーがSplunkのモデルを拡張したり、自社独自のモデルを使用したりできるようにも努めています。「オープン性と拡張性」の理念を実践した好例の1つが、MLTKに新たに追加された、外部トレーニング済みONNXモデルのサポートです。これらの機能を使うことで、データサイエンティストは、使い慣れたツールと手法を使ってモデルを作成し、トレーニングすることが可能です。さらにそのモデルを、Splunkで収集した非常に有用なマシンデータに簡単に適用することもでき、デジタルレジリエンスの一層の強化につながります。
Splunkは他のベンダーと同様、生成AIへの投資を大規模に行っています。そのおかげで今回ついに、長らく待望されていた機能をプラットフォームに搭載できました。生成AIの近年の飛躍的な進歩によって初めて実現したことです。それが、生成AIを活用してSPLをもっと使いやすくしてくれるSplunk® AI Assistant Appです。このAppは自然言語によるプロンプトでSPLを生成したり、SPLをわかりやすい要素に分解したりしてくれるので、学習を効率的に進められます。Splunk® Enterpriseの製品、用語、機能も説明してくれるので、ユーザーの知識と習熟度を高めることができます。
Splunkのセキュリティ製品とオブザーバビリティ製品には今後、ガイド付きアシスタントが搭載される予定です。生成AIを活用して、データ分析プロセスを効率化し最適化するお手伝いをします。有能な助手として、インシデントの調査と分析に関するガイダンスを提供し、コンテキストを踏まえた解決策を提案し、大量の複雑なマシンデータから実用的でわかりやすいインサイトを引き出してくれます。
SplunkがAI機能を使っているというお話をしてきましたが、実例を見るのはまた別のことです。論より証拠ということで、1つの事例をご紹介します。欧州の大手高級車メーカーは、Splunkを活用して生産プロセスで品質を改善しています。具体的には、Splunk® Data Science and Deep Learning Appを導入し、Splunk® Enterpriseに取り込まれた膨大な品質保証データを使って、ニューラルネットワークモデルをトレーニングしました。目的は、生産プロセスで発生する可能性のある問題の予測と防止です。

その結果は上々でした。生産チームでは、Splunk® Data Science and Deep Learning Appによって生成されたモデル推論のおかげで、動的で予防的な試験プロセスを確立し、プロセスの効率化に向けて一層的確な意思決定を行えるようになりました。
AI機能の導入方法に関する実践的かつ戦略的なガイダンスをお探しでしたら、Splunkのユースケースガイド『AIと機械学習を活用したセキュリティユースケース』と『Splunk AIによるオブザーバビリティの強化』を、ぜひご覧ください。実際の導入例のほか、自社環境にも導入できる活用のヒントをご紹介しています。
AIや機械学習モデルの設定とデプロイを実際に試してみたい皆様に向けて、初心者でも高度なスキルを習得できる選りすぐりのワークショップを開催しています。ワークショップの情報やAIジャーニーの進め方について、詳しくは担当のSplunkアカウントチームまでご遠慮なくお問い合わせください!

*バージョン5.6.3で、名称が「Machine Learning Toolkit」から変更となりました。
このブログはこちらの英語ブログの翻訳、長阪 卓哉によるレビューです。