データベース管理システム(DBMS)とはどのようなもので、なぜそれほど重要とされるのか、疑問に思ったことはありませんか?DBMSは、数多くの組織、あらゆる業界、さらには政府機関でも、間違いなく重要な役割を果たしています。
このブログ記事では、DBMSについて詳しく解説します。DBMSの構成要素、さまざまなタイプとそれぞれに適した用途、メリットを見ていきます。
最後までお読みになれば、データベースについてかなり詳しくなっているはずです。
データベース管理システム(DBMS)は、データベースを作成、定義、操作、管理するためのソフトウェアシステムです。DBMSを使うことで、大量のデータを体系的な方法ですばやく効率的に保存、整理、取得できます。
例えるなら、さまざまなタイプの大量のファイルを保管し、必要な情報をすばやく見つけて取り出せる、電子ファイリングキャビネットのようなものです。 DBMSは以下の点で役立ちます。
DBMSは複数の要素で構成されており、それらが連携して動作することで、データの効率的な利用と管理ができるようになっています。中心になるのは6つの要素です。
データの保存に使用するコンピューター自体を含む、物理的な装置です。DBMSで使われるハードウェアの例としては、次のものが挙げられます。
データベースの管理に使われるコンピュータープログラムです。DBMS自体のほか、ドライバーやユーティリティなど、DBMSを支えるソフトウェアも含まれます。
つまり、ハードウェアを基盤とした1つの層として、ユーザーがデータベースを操作するための視覚的なインターフェイスを提供します。
組織内で生成されるデータはDBMSの生命線であり、リソースとしてデータベースに保存されます。
データに関する情報を示すメタデータも、同じくデータベースに保存されます。メタデータは、データに関する特定のコンテキストを提供し、データの整合性、セキュリティ、正確なアクセスの維持に役立ちます。メタデータに含まれる情報には、データのタイプ、サイズ、作成日などがあります。
DBMSのプロシージャは、データベースの設定方法と利用方法を規定するガイドラインです。プロシージャによって、データのアクセス、変更、アーカイブの方法が決まります。つまり、DBMSをどのように使用すべきかを示す手順がまとめられているのです。
データベースにアクセスする際は、DBMSが理解できる特定のクエリー言語を使用する必要があります。クエリー言語は一般的に4つのカテゴリに分けられます。
これらの言語は、データベース内のデータをサーチ、フェッチ、更新、追加する際に使われます。インターフェイスを介してデータベースに簡単にアクセスできるのは、これらの言語のおかげです。
よく使われるクエリー言語には以下のものがあります。
データベースにアクセスする人を指します。組織での役割によって、データベース内でのアクセス先や、データの操作に使用するソフトウェアツールが異なります。
ユーザーの例を以下に示します。
次は、DBMSのさまざまなタイプについて見ていきます。
リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)は、最も多く使われているタイプのDBMSです。複数の関連付けられたテーブルにデータを保存し、SQL (Structured Query Language)を使ってデータの操作とアクセスを行います。
RDBMSには、顧客情報や製品インベントリなど、大量の構造化データを保存できます。使いやすさと柔軟性に優れているため、DBMSの中で最も広く利用されています。データはテーブルに保存され、キーを使ってテーブル間の関係を管理します。RDBMSの具体例としては以下のものがあります。
RDBMSは、よく整理された構造を持ち、事前定義されたスキーマに適合するデータを扱うのに最適です。特に、以下の用途に適しています。
NoSQLデータベース管理システムも、多くの組織で利用されています。NoSQLは「Not only SQL」の略で、従来のリレーショナルデータベースモデルとは異なることを示します。
NoSQLは特に、ソーシャルメディアデータ、IoTセンサーデータ、文書など、大量の非構造化データや半構造化データを扱うことを想定して作られています。リレーショナルデータベースとは異なり、テーブル構造が固定されないため、拡張性と柔軟性が非常に優れています。
NoSQL DBMSの具体例としては以下のものがあります。
NoSQLデータベースも、いくつかのカテゴリに分けられます。
一般的な用途としては以下のものがあります。
オブジェクト指向DBMSは、オブジェクト指向の考え方をデータベース機能に応用したもので、オブジェクトの形でデータを保存します。複雑なデータ構造を扱えるため、開発者は、基盤のデータベース構造よりもオブジェクトの処理に集中できます。
リレーショナルデータベースのような構造的な形式を持たない点で、NoSQLデータベースの一種ともみなされます。具体例としては以下のものがあります。
一般的な用途としては以下のものがあります。
階層型DBMSは、データベースで初めて使われたデータベース管理システムモデルです。データをツリー構造で表現するため、親子関係のあるデータの管理に適しています。応答時間が短く、データの取得を効率的に行えるのが特徴です。
一方で、厳密な親子関係よりも複雑な関係を持つデータには使用できないという制約があります。
具体例としては以下のものがあります。
一般的な用途としては、銀行取引、インベントリ管理、医療記録などがあります。
ネットワークデータベースもDBMSとしてよく使われます。データレコードをネットワークのノードとして表現し、各ノードに他の複数のノードへのリンクを持たせることができます。これらのリンクが、データレコード間の関係を表します。
ネットワークデータベースでは、異なるレベルのレコード間を行き来でき、複雑なデータ関係にも対応します。多対多の関係を扱えることが強みで、そのためソーシャルメディアデータの保存などに適しています。
ネットワークDBMSの具体例としては以下のものがあります。
具体的な用途をいくつか挙げると、以下のものがあります。
データベース管理システム(DBMS)を使用することで、組織はさまざまなメリットを得られます。主なメリットは以下のとおりです。
DBMSは、データベースに保存するデータの入力方法や保存方法に関するルールを適用し、データを検証することで、データの整合性を確保するために役立ちます。
たとえば、重複入力やデータタイプの不適合といったエラーをチェックできます。
DBMSは、不正アクセス、不正操作、盗難からデータを守るために役立ちます。また、組織での役割に応じてさまざまなレベルのユーザーアクセスを適用できます。
DBMSを使用すれば、簡単にデータベース内のデータをバックアップし、万一データが破損または喪失した場合にはデータベースを復元できます。これにより、システム障害によってデータが完全に失われることを防止できます。
DBMSは、保存データの増大やユーザー数の増加に合わせて拡張できるように設計されています。
そのため、小さい規模から使い始めて、段階的に拡大していくことができます。データが増えるたびにデータインフラを整備しなおす必要はありません。
データベース管理システム(DBMS)は、組織にとって、データを効率的に保存および管理するために欠かせません。DBMSには複数のタイプがあり、それぞれに独自の強みと適した用途があります。
DBMSを使用すると、データの整合性の向上、セキュリティとアクセス制御の強化、バックアップとリカバリの効率化、拡張性の確保など、さまざまなメリットが得られます。
DBMSを選択する際には、どのタイプのDBMSが組織のニーズに適しているかを十分に検討することが大切です。
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