
AIとデータ分析の力を活用する
ニューヨーク州は人口が多いため、DOLのデータセットは膨大なサイズになる可能性があります。Splunkでデータをフィルタリングすれば、各チームが膨大なスプレッドシートを確認する作業はまったく必要なくなり、担当者が定性的な判断を迅速に行えるようになります。定型業務が効率化されると、より価値の高い業務に集中するための時間を確保できます。
適切なテクノロジーがあれば、州および地方自治体はサイバー犯罪者の常に一歩先を行くことができます。パンデミックでSplunkを導入して以来、ニューヨーク州DOLの特別調査チームは、次のような成果を上げてきました。
- 150万件以上の不正請求を特定
- 総額330億ドルを超える給付金詐欺の試みを阻止
AIとデータ分析を活用することで、行政機関は申請処理を刷新し、不正行為のリスク管理を強化できると同時に、さまざまな規制コンプライアンス要件にも準拠できます。これらのツールにより、正当な申請が迅速かつ正確に処理されるようになります。調査担当者が不正行為を手作業で調査する時間が減るからです。
DOLは、2023年の導入プロセス全体を通じてSplunkのプロフェッショナルサービスチームと連携したことで、前述のメリットを享受し始めました。具体的には、Splunkはニューヨーク州の情報技術サービス局と連携して、Splunk App for Fraud Analyticsを活用するためのSplunk Enterprise SecurityをDOL向けに構築しました。
DOLはSplunkのレポートとデータダッシュボードを活用して、銀行口座ごとにデータを切り離すことで、データの標準化と形式に関する課題を解決しています。
今では、DOLの調査官がSplunkダッシュボードを使って最新のデータにすばやくアクセスできるようになり、レポート処理の実行時間が大幅に短縮されました。同省は、Splunkのソリューションを使用して、正当な給付金申請者に対するフィッシング攻撃を防ぐ計画も立てています。詐欺師たちは、パンデミック期間に150万以上のIDを窃取して使用しました。DOLはSplunkのソリューションを利用して、窃取したIDでは給付金を申請できないような仕組みを確立したいと考えています。
まとめ
パンデミック中に詐欺師たちは新たな、しかも以前より大きい標的を見つけ、かつてないほど執拗に活動しています。AIを利用した詐欺の手口がますます増加しているため、行政側もAIを活用して、エコシステム全体に蔓延する不正行為を阻止することが非常に重要です。行政機関はAIとデータ分析を導入することで、犯罪者に負けない執拗さで、給付金の財源と社会的信頼を保護し続けることができます。