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Splunkが2022年のITテクノロジー予測レポートを4つの重要領域ごとに公開

Splunkは、データの重要性と、データがいかに未来のあらゆる側面を支えるかを詳述した2022年予測レポートを発表しました。レポートは「概要」「データセキュリティ」「IT・オブザーバビリティ」「行政・公共機関」の4つの重要領域ごとに作成されており、Splunkのシニアリーダーとテクノロジーエキスパートによる洞察に基づいて、ITテクノロジーにおけるトレンドや動向を探っています。

Splunk 2022年予測 概要レポートのポイント

概要レポートは、企業のリーダーを対象に、最新ITテクノロジーにフォーカスした内容となっています。2022年を予測するためにSplunkのシニアリーダーやテクノロジーエキスパートに調査を行った結果、新型コロナウイルスの感染拡大により、創造的破壊と変革が急速に進んだ2年を経た後の、極めて不確実なこれからの1年を見通すことは容易ではないと感じたといいます。

予測に当たっては、新型コロナウイルスの感染拡大だけでなく、それがもたらした経済の過熱、サプライチェーンの大規模な供給不足、政治的混乱といった影響も考慮する必要があります。2022年には状況が好転する兆しが見られるものの、当面は、予期せぬ新たな事態が発生すると考えておくべきでしょう。

私たちの生活はいまだ混沌としていますが、2020年ほどは「前例のない」という言葉を聞かなくなるでしょう。企業にはパンデミックの健康と経済への影響に関するデータが2年分蓄積されていますので、リーダーにはこれまで以上にデータを活用することが求められます。そして、リーダーの決断の指針となるのもデータなのです。

概要における2022年の予測は次の通りです。

  • すべての組織で人材に対する新しいアプローチが求められる
  • パンデミックを乗り切った企業がM&Aによる増収を狙う
  • 2022年にはエッジコンピューティングへの注目が高まり、期待どおりの成果をあげる
  • CXの年:カスタマーエクスペリエンスが2022年を決定付ける

Splunkによる2022年予測の概要レポートの詳細はこちらからダウンロードすることができます。

データセキュリティ予測レポートのポイント

データセキュリティレポートは、主にセキュリティチームを対象とした予測になっています。セキュリティチームは、高校生ハッカーから国際的なサイバー犯罪組織や大国が送り込むスパイまで、次々と現れる見えない敵からネットワークとデータを守らなければならず、難題の連続です。しかし、セキュリティ業界はかなり高い成果をあげています。

コロナ禍でリモートワークが急増し、それを狙ったサイバー攻撃も急増しました。しかし、この攻撃の成功率が上がることはありませんでした。レポートではこれを「境界は移動しましたが、門は守られた」と表現しています。また、機械学習とセキュリティソフトウェアに自動化と脅威インテリジェンスを組み合わせれば、未知の脅威や複雑な異常現象を検出し迅速に対応できるとしています。

完璧な対策はなくても、ランサムウェアやサプライチェーン攻撃の増加から持続的なビジネスメール詐欺まで、現在直面している脅威の動向を理解し、これらのリスクを検知して対応するためのデータアプローチを確立することで、完璧に近づけることができます。そして、結局はゼロトラストネットワークのようなアプローチに行き着くとしています。

データセキュリティにおける2022年の予測は次の通りです。

  • ランサムウェアは、サイバー犯罪が職業化し、サプライチェーンを利用することで増加する
  • 大手パブリッククラウドサービスプロバイダーが次の大きな標的になる
  • まずセキュリティベンダーを介して、いずれは恐らく政府プログラムを通じて、脅威インテリジェンスの共有が進む
  • DevSecOpsは正式なプラクティスとして受け入れられる前に導入が進む
  • 基本的なサイバーセキュリティ対策が新しい境界になる

データセキュリティにおける2022年の予測の詳細はこちらからダウンロードできます。

IT・オブザーバビリティ予測レポートのポイント

IT・オブザーバビリティレポートでは、ITおよびオブザーバビリティ(可観測性)に関する予測をまとめています。2020年と2021年の大きな動向は、DX(デジタルトランスフォーメーション)、特にクラウド導入の急加速でした。2022年に入ってもこの流れは続くでしょう。クラウドは、不確実さに対応するために最適なプラットフォームであるからです。

また、多くの組織が、このパンデミックについて長年の計画を実行に移す機会と捉えていたことも事実です。ITリーダーは、新たなコンティンジェンシープランを急いで作成するよりも、既存の変革ロードマップを推進することを選択しました。そして、ほとんどの企業は、順調に進んでいたDXの計画をあまり変更することなく継続しているといいます。

しかし、DXを加速し続けていくことにも課題はあります。競争力を維持するには、組織改革を定期的に行う必要があります。クラウド導入は新たな改革の出発点でしたが、次の段階を牽引するのはデータです。そこでの課題は、データのサイズと量であり、サイロ化の解消とデータ分析やAI・機械学習の知識を持つ人材です。特にそのような人材はめったに見つからないため、発掘や育成をすることも重要です。

IT・オブザーバビリティにおける2022年の予測は次の通りです。

  • オブザーバビリティがカスタマーエクスペリエンスの次の戦場になる
  • 2022年にはエッジコンピューティングへの注目が高まり、期待どおりの成果をあげる
  • サーバーレスは拡大すると同時に、予想以上に複雑になる
  • オブザーバビリティとAIOpsが融合して真価を発揮する
  • 今後2~3年間で、データレジデンシー法がITリーダーやビジネスリーダーの頭を悩ませる新たな課題を生み出す
  • DevSecOpsの導入が進み、導入しない組織はサイバー攻撃リスクが高まる

IT・オブザーバビリティにおける2022年の予測の詳細はこちらからダウンロードできます。

行政・公共機関予測レポートのポイント

行政・公共機関レポートは、政府DXやセキュリティに関するグローバル動向について説明した予測となっています。2021年は、パンデミックの継続により技術革新がますます促進され、民間組織の技術提供のあり方は政府の変革に影響を及ぼしました。一方で、サイバー攻撃への懸念はより深まった1年となりました。

国家が背後にいる高度なサイバー攻撃が増える中で、国家政策としてセキュリティを強化するケースが増えています。特に、懸念されているのは国の重要なインフラへのサイバー攻撃であり、そうした重大なサイバー脅威に対抗するには、国家レベルで対策に取り組み、計画策定や脅威分析、防御対策などを官民一体で行うことが重要です。サイバー脅威は大規模化し、急速に進化しているため、脅威に先手を打つには行政・公共機関と民間組織が一貫して連携していくことが必要としています。

その上で不可欠なことは、特定のソフトウェアやツール、技術に焦点を当てるのではなく、基本的なセキュリティ対策を確実に実行していくことです。既知の脅威への対策をおざなりにせず、目前の状況に対して常に最善策を講じようと努めることが、最も効果的な手段と言えるでしょう。

行政・公共機関における2022年の予測は次の通りです。

  • リーダーは、労働者の訓練と指導の方法を再考する必要がある
  • 政府機関は、必要なソフトウェアの入手を容易にする傾向を継続する
  • 市民の経験は、2022年を決定づける要因となる
  • エッジコンピューティングをめぐる誇大宣伝の高まりは、大きな変革を告げるものである
  • 脅威インテリジェンスの共有は、最初はセキュリティベンダーを介して、最終的には政府のプログラムを介して増加する
  • ランサムウェアは、サイバー犯罪者が専門化し、サプライチェーンを活用するにつれて増加し、セキュリティ標準への政府の関与を深める

行政・公共機関における2022年の予測の詳細はこちらからダウンロードできます。

欧米では多くの組織が企業内部にIT技術者を抱え、テクノロジーにおけるさまざまな取り組みを推進しています。一方、日本では外部委託契約において開発や運用を行う産業文化が主流であり、システムの内製化は途上段階のため、Observabilityのような新しい取り組みへのスムーズな移行は難しいのが現状です。そのような中でSplunkは、DX化の実現に向けたスモールスタートを検討する企業へのサポートを今後も継続していきたいと考えています。

Splunk Services Japan合同会社 日本法人 社長執行役員

Splunk Services Japan合同会社 日本法人 社長執行役員として日本国内におけるビジネス開発、Go-To-Market戦略の策定、営業統括を担う。

2015年11月にSplunkにシニアセールスマネージャーとして入社後、上級職を歴任し、大規模なお客様の獲得にチームを導く。現職の前は、エリアヴァイスプレジデント兼ストラテジックセールスの責任者としてとしてセールスチームを指揮し、お客様、パートナー様との強固な関係を構築。 

Splunk入社以前は、1999年に日本アイ・ビー・エム株式会社でキャリアをスタートし、2013年にマカフィー株式会社に入社。通信・メデイアおよび運輸・旅行業界の営業部長を務める。

慶應義塾大学経済学部卒業。

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