Splunkに入社して2025年11月で丸10年目です。経験してきたSplunk Japanの成長を振り返ると、印象深い事実に気づかされます。Splunkの全従業員が大切にしている「5 Values」という5つの価値が、本当にこの会社の文化の根底に根付いているんだなと感じるのです。そこで、この場を借りて、Splunkの5 Valuesについてお話してみます。
Splunkの5 Valuesは、「革新性」(Innovative)、「破壊的創造性」(Disruptive)、「情熱」(Passionate)、「開放性」(Open)、「楽しさ」(Fun)です。まずはそれぞれについて紹介します。
革新性は、先進テクノロジーを提供する企業にとって欠かせない要素です。それに加えて、Splunkの考える革新性は、技術の革新だけでなく、お客様のニーズを正確につかんだり、未来のニーズを先取りするなどの考え方も含みます。Splunkの従業員は、考えることをやめず、変化することを厭いません。
破壊的創造性は、訳していますがディスラプションとカタカナで書いた方がわかりやすいかもしれません。それくらい日本でも浸透してきた言葉ですが、Splunkは創業以来これを大切にしてきました。革新性と同じく、技術的なものだけでなくビジネスプロセスや販売プロセスを含めて、Splunkはかなりディスラプティブです。
情熱は、多くの組織が求める要素でしょう。一方、言うは易く行うは難しで、実践となるとなかなか大変です。ただ、Splunkの場合、破壊的創造性と革新性のおかげで凄まじい変化が毎年起こるので、変化に向き合って自分も周囲も変えていくための情熱が不可欠なのです。
開放性は、平たく言えば正直かつ公正であることです。社内だけでなく、お客様やパートナー様に対しても正直で公正であることを貫いています。
最後に、楽しさですが、個人的に5つの中で最も好きな価値です。日本語にするとやわらかい表現になりますが、Funなのでもっと爆発的な楽しさ、心の底から沸き立つような楽しさです。Splunkは、仕事でもプライベートでも、Funであることを大切にしています。従業員同士だけでなく、お客様やパートナー様ともFunな経験を共有できるように様々なイベントや機会を計画して実行しています。
気づいていただけたかもしれませんが、5つの価値は相互に関わり合ってSplunkらしさを形成しています。革新性と破壊的創造性はすばらしいソリューションを生み出す一方、強烈な変化を引き起こします。情熱がなければその変化を受け入れて対応することはできず、お客様やパートナー様には新しいやり方やソリューションについて正直に説明しなければなりません。
変化には痛みも伴います。実際に、社内だけでなく、お客様やパートナー様に無理を強いてしまうこともありました。それでも、私たちは変化の先にすばらしい未来があると信じ、情熱を持って正直に、きちんと説得して、納得してもらってきました。そうして成長してきたからこそ、いまがあるのです。決して社員もお客様やパートナー様を裏切りませんでしたし、新しいSplunkに納得してもらうことができました。正直に相対し、寄り添うことでお客様やパートナー様とより強固な信頼関係を築くことができたのです。
とはいえ、革新するための創造的破壊が起きている最中には、その大きな影響や変化を心底楽しめるかというとなかなか難しいものですし、実際に大変でした。そんなときにいつも思い出すのが、「Feel comfortable in uncomfortable situation」(不快な状況を快適に感じよう)という言葉です。これは、Splunkに浸透した文化のようなもので、5 Valuesのすべてのエッセンスが詰め込まれています。Splunkでは、変化する状況を楽しみながら、情熱を持って取り組み、実際にうまくいったというリアルな体験が多くあります。いままでのやり方を大きく変えなければならない状況を楽しみながら仕事に取り組めるマインドセットこそ、“Splunker”らしさなのかもしれないなと感じることも多いです。
この5 Valuesですが、人材採用の際にかなり意識します。たとえばスキルや経験が備わった人材を採用できそうなチャンスがあっても、いざ入社してもらうと社風に合う、合わないは出てきます。ですから、面接にあたって、単に職歴や経験だけではなく、「この人はOpenな人だな」、「Disruptiveな考え方をできる人だな」など、5 Valuesに立ち返って判断するようにしています。
Splunk Japanとしてぜひ欲しいのは、変化を楽しめるようなFunな人です。従業員はみんな日本人としては十分にFunなメンバーです。ただ、グローバルな視点で見るともっとFunであってもいいかなと。最近まで社内でValues Awardというものをやっていて、5つの価値それぞれについて、最高の従業員が表彰されていました。そのFun部門で受賞した人は、本当にものすごくFunなのですよ。それくらいの人がSplunk Japanにも居れば、職場がもっと楽しくなるのではないかと期待しています。
Values Awardは、私も入社2~3年目にOpen部門で受賞しました。ここ数年は日本の受賞者はいなかったのですが、昨年Passionate部門とInnovative部門で受賞者を出すことができました。四半期に1度の表彰で、7,000人以上の組織において年間20人だけが選ばれる賞。彼らを誇りに思います。
昨年3月にシスコファミリーの一員となり、Splunkとしての表彰は今年の3月に終了しましたが、シスコにも表彰制度があり、形を変えても社内表彰制度は続いていくでしょう。実際に、シスコはものすごくFunを大切にする社風だと感じています。そして、かつてハードウェアとネットワークの会社だったシスコは、ソフトウェア事業を伸ばそうとしています。大きく変化しようとしているわけで、Splunkがこれまで培っていた企業文化が、シスコ全体の文化にとって良いスパイスになることができれば嬉しいです。
従来、日本企業は新卒採用を重視してきました。私が新卒で入社したのは日本アイ・ビー・エムです。広義にとらえれば外資系ではあるのですが、日本に根付いている企業で、新卒で入社して定年を目前に控えている先輩方が大勢いらっしゃいました。そのような環境では、企業文化が自然に身について、IBMの社員らしさが自然と出てくるのではないか、と感じました。
最近になって、企業文化、カルチャーが、企業にとって持続可能な成長と企業価値向上を促す活動として、注目を浴びるようになってきました。実際、企業が目指すビジョンやミッション、バリューを明確にして、フィロソフィ、ビジョン、パーパスなどをそれらを対外的に発表するケースもよく聞きます。これは、日本の労働環境、人材流動性が活発化してきたことの裏返しなのではないかなと考えています。
Splunkの5 Valuesは、創業当初からの考え方で、従業員が100人くらいになったときに明文化されたそうです。米国の企業ですから、新卒でも即戦力として採用します。価値観や企業文化を明文化しておけば、ミスマッチを防いで理念を共有できる人材を集めやすくなりますし、実際に入社してから共通の指標を使って思考や議論のベースを作り上げることができます。
ここ数年、パートナー企業の方々にも、Splunkの温度感がかなり伝わってきているように感じます。中でも、海外イベントに参加してくださった方は、パートナー様もお客様も、Splunkらしさの根底に5 Valuesがあるんだと腹落ちしてくださる方が多いようです。5 ValuesはSplunkの従業員にとっての価値観なのですが、それを理解した上でお付き合いいただける方が増えていると実感できるのは、ありがたいことです。
Splunkは、IT業界の中では長く勤める人の多い職場です。日本法人も同様で、私が勤め始めたころは数人規模の小さなオフィスでした。そしていま、勤続10年の表彰でもらえるパーカーを、当時からの同僚2人が持っています。私は3人目になる予定。勤続10年フーディが届いたら、またこの場で紹介させてください。
最後になりますが、Splunkの理念に共感できると感じた方、Funを大事にしていきたいと思ってる方と、パートナーとして、お客様として、そして共に働く仲間としてお会いできることを楽しみにしています。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は1,020を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキストに基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。