統合型のオブザーバビリティプラクティスでコラボレーションを強化する方法

CISO Circle Greg Leffler

新しいテクノロジーやアプリケーションが次々と登場していますが、真に変化をもたらしているのは、昔から変わらず「コラボレーション」です。具体的には、オブザーバビリティプラクティスを軸とした、IT運用チーム、セキュリティチーム、そしてビジネスリーダー間のコラボレーションです。

では、コラボレーションと洗練されたオブザーバビリティプラクティスのどちらを優先すべきなのでしょうか?これは簡単には答えられません。成熟したオブザーバビリティプラクティスには、包括的なコラボレーションが不可欠です。どれほど強力に見える取り組みであっても、内部で十分なコラボレーションが行われていなければ、真に成熟しているとは言えません。一方で、最適なコラボレーションを実現するためには、チーム間で共通のオブザーバビリティデータが必要です。また、規律あるオブザーバビリティプラクティスを継続的に改善していくには、チームをまたいだ連携が欠かせません。

Splunkの 『オブザーバビリティの現状:ビジネスの新たな促進要因の登場』 レポートでは、オブザーバビリティデータの価値をすべて漏れなく引き出すための鍵となるのがコラボレーションであることが明らかになっています。調査では、パフォーマンスの高いチームの特徴を探るために、1,855人のIT運用担当者とエンジニアにアンケートを行いました。その結果、他の回答者よりも収益に貢献している回答者グループがはっきりと浮かび上がりました。この回答者たちは、セキュリティチームとより緊密に連携し、インシデントをより戦略的に処理し、最先端のテクノロジーや新たなプラクティスに投資することで、高い成果を達成しています。

多くのチームが直面するコラボレーションの課題

IT運用、セキュリティ、製品、エンジニアリングの各チームは、それぞれ異なる役割を担っています。だからこそ、チームをまたいだ包括的な可視性がより一層重要になります。これがないと、深刻な問題につながる可能性があります。

多くの方が、あの嫌な瞬間を経験したことがあるのではないでしょうか。自社のeコマースプラットフォームで、バックエンドサービスに負荷がかかり、ログインの遅延が急増していることに気づく瞬間です。大量のカート放棄が発生し、あちこちでアラートが鳴り響いています。そして最悪なのは、売上が減少していることです。IT運用チームはこの問題をエンジニアリングチームにエスカレーションしますが、問題は解決しません。一方でセキュリティチームは、他のチームが知らないうちに、ボットネットによるクレデンシャルスタッフィング攻撃の可能性を調査しています。ログイン時の過剰なトラフィックがサイト全体に影響を及ぼしていますが、セキュリティチームはそれを把握しておらず、状況が共有されていません。また、アプリケーションチームはログインアクティビティが急増していることに気づいていますが、その理由がわかりません。

多くの場合、各チームがばらばらな方向に迷い込んでしまうのは、コラボレーション不足が主な原因です。各チームが異なるデータを分析し、連携のないダッシュボードやツールを利用していると、複数のチームやシステム間で情報をリアルタイムに関連付けることが難しくなります。チームは足並みを揃えて連携するどころか、孤立し、協力すべき重要なパートナーと切り離されています。

コラボレーションの対策を講じていないオブザーバビリティプラクティスは、もう時代遅れです

他人任せの姿勢が招く高い代償

知識のギャップも、オブザーバビリティ、セキュリティ、IT運用、エンジニアリングの各チーム間の健全なコラボレーションを妨げる大きな要因です。たとえば、Splunkの『オブザーバビリティの現状』レポートによると、IT運用チームとエンジニアリングチームの41%が、担当業務以外の分野での技術的な専門知識や関連スキルの不足を課題に挙げています。さらに、SREやNOCエンジニアは、さまざまな種類のセキュリティ脅威について十分な知識を持っていません。一方セキュリティチームは、多くの場合、アプリケーションがハッキングされていない限り、パフォーマンスをそれほど気にしません。

組織や情報のサイロ化は、特にオブザーバビリティチームとセキュリティチーム間の連携を妨げます。両チームの間で強固なインシデント対応の連携が確立されているケースはまだ少なく、多くの企業がコラボレーションを阻害する最大の要因として、変化に対する抵抗感を挙げています。こうした状況により、チーム間で摩擦が生じたり、責任を押し付け合って対立したりすることもあります。

真のコラボレーションがなければ、チーム間で作業の重複が驚くほど頻発し、時間や労力、リソースを浪費してしまいます。では、この問題を解決するにはどうすればよいのでしょうか。先進的なチームは、どのようにして相乗効果を最大化しているのでしょうか。お決まりのチケット処理の押し付け合いから、協力して解決する姿勢へと変革することは可能なのでしょうか。

点と点を結んで収益につなげる

協力体制の強化、とりわけセキュリティチームとの連携が進むことで、オブザーバビリティの効果は飛躍的に拡大します。チーム間で連携すれば、根本原因(たとえば、クレデンシャルスタッフィング攻撃によるバックエンドリソースの逼迫)をすばやく特定し、問題を解決して、顧客への影響を最小限に抑えることができます。また、オブザーバビリティプラットフォームでデータ、ダッシュボード、ナビゲーター、コンテキストを共有すれば、並行してトラブルシューティングを行うことができます。アプリケーションの脆弱性などのセキュリティデータをアプリケーションパフォーマンス監視に統合することは、最初の取り組みとして有効です。

ビジネスリーダーは、エンジニアリングチームと緊密に連携し、テレメトリから導出されたインサイトに基づいて、ロードマップに関する意思決定や機能の優先順位付けを行うのが望ましいです。何と言っても、テレメトリデータはユーザーや顧客の実際の体験を示します。顧客が実際にサービスとどのように関わっているかがわかるため、製品チームにとって非常に価値のあるデータです。

以上のようなビジョンを実現する最善の方法は、ビジネス部門がテレメトリデータに容易にアクセスできるようにすることです。そうすれば、リーダーは重要な場面で即座に対応できます。ビジネスアナリストが別々のダッシュボードからデータを抽出してレポートにまとめ、ビジネスレビュー会議の開催まで待つというステップは不要になります。その代わりに、リーダーはデジタルエクスペリエンスが収益にどのような影響を与えているかをリアルタイムで正確に把握できます。

ページの読み込み時間が通常より1秒長くなったとしても、誰も気にしません。キャッシュを更新するか、最近のキャンペーンによるアクセス集中として片付けてしまうでしょう。しかし、1秒の遅延が収益の10%減少に直接つながることを示すデータがあるとしたら、どうでしょうか。今度は誰もが気にします。ビジネスへの影響を明確に示す極めて重要なデータだからです。

チーム間の連携が問題の解決時間を短縮する

セキュリティチームとの連携を本当に成功させるには、明確な意図に基づいて取り組む必要があります。最も効果的な出発点は、オブザーバビリティチームとセキュリティチームの間でデータを共有することです。そして、全員が同じツールを使うことで、迅速かつ容易に認識を共有できます。

チーム間で効果的にコラボレーションするためには、共通のオブザーバビリティデータが必要です。また、規律あるオブザーバビリティプラクティスを継続的に改善していくには、チームをまたいだ連携が欠かせません。オブザーバビリティチームとセキュリティチームがデジタルの最前線で初期段階から連携することで、リアルタイムの包括的なコラボレーションが実現し、分断されたワークフローによって問題が徐々に表面化する状況を解消できます。

各チームの足並みが揃ってはじめて、本来の力を最大限に引き出すことができます。コラボレーションこそが鍵です

Patrick Lin Splunkオブザーバビリティ担当SVP兼GM

オブザーバビリティデータは、IT運用チームやエンジニアリングチーム以外にも価値をもたらします。Splunkの調査では、回答者の大多数が、アプリケーションのセキュリティ脆弱性やセキュリティ脅威を検出するオブザーバビリティソリューションの能力が組織のビジネス全体に「ある程度重要」または「非常に重要」と評価しています。

デジタルエクスペリエンスによって生じるデータやアラート、ビジネスへの影響がかつてないほど増える中、あらゆる場面で人間が関わっていることを決して忘れてはなりません。チームがインシデントにどのように対応しているかを振り返り、事後レビューを確認したうえで、効率的な行動計画の取りまとめや、最適なチームを巻き込んだ強力なコラボレーションの実現に向けてできることを検討してください。最終的には、適切なインサイトを適切な相手に適切なタイミングで届けることが重要です。もちろん、データやツールを共有すれば、こうしたコラボレーション中心のアプローチは格段に容易になります。

規律ある成熟したオブザーバビリティプラクティスを通じて、チーム間のコラボレーションをどのように最適化できるのかについて詳しく知りたい方は、『2025年のオブザーバビリティの現状』レポートをダウンロードしてください。

このブログはこちらの英語ブログの翻訳、中里 美奈子によるレビューです。

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