Bosch Rexroth社：ITとOTのオブザーバビリティを実現し、エネルギーコストを20～30%削減

エネルギー消費の削減は地道な努力のたまもの

Bosch Rexroth社は現在ウルムのモデル工場で、Splunk Enterpriseを活用して5秒ごとにエネルギーデータを収集し、エネルギーコスト、エネルギー消費、カーボンフットプリントを監視および最適化しています。Splunk Sustainability ToolkitとElectricity Mapsを使用するこの専用のエネルギー管理ソリューションから、リアルタイムおよび予測される電力調達状況、炭素強度、エネルギー価格設定データが提供され、Bosch Rexroth社がエネルギー消費の非効率性を検知する助けとなっています。

こうしたことが可能になったのは、以下の3つの最適化戦略を適用し、製造現場でAIと機械学習を活用した結果です。

• 戦略1 可用性管理：スタンバイモードの最適化
  可用性管理の戦略に取り組むにあたって、エネルギー消費の傾向を収集したことにより、1日のさまざまな時間帯で不必要にアイドル状態にあるマシンが存在していることが明らかになりました。Bosch Rexroth社は現在、それらを起動状態のままにしておくのではなく、使用されていないときはスタンバイモードに移行するようにし、エネルギーを節約しています。Bosch Rexroth社のプロダクトエリアステージ担当者であるHarald Lukosz氏は次のように述べています。「ITとOT両方の環境のデータソースをSplunkに統合した結果、業務を可視化できました」
• 戦略2 価格管理：ピーク管理の最適化
  価格管理の戦略への取り組みでは、ITとOT両方の環境全体でのインフラ監視を実施したことにより、エネルギー消費のピークレベルを超過したことを理由に工場が割増料金を請求される状況を回避できています。Bosch Rexroth社は、SplunkのAI/機械学習を活用したエネルギー消費予測モデルを利用して、工場全体のエネルギー消費がピークレベルの90%に到達したらオペレーターに警告するというシステムを導入しました。これによって、ピークレベルの超過を理由にエネルギーの割増料金を支払う事態を回避できています。
• 戦略3 タイミング管理：緊急性の低いエネルギー集約型業務のスケジュールの最適化
  Splunkは、Electricity Mapsのデータに加えてAIおよび機械学習機能を組み込み、Bosch Rexroth社がエネルギー消費パターンを識別してその需要を予測し、緊急性の低いエネルギー集約型業務のスケジュールを最適化できるようにしました。たとえば、同社のチームは、Electricity Mapsのエネルギー価格と炭素強度に関する予測値をデータソースとして取り込みました。このようにして入手したデータを基に、エネルギー価格と炭素強度が最も低く、さらに電力網からの再生可能エネルギーの供給量が比較的多いタイミングで、自社のプロセスとマシンを稼動させるスケジュールを設定することが可能になりました。

このようにITおよびOT環境全体のインフラ監視が実現したことは、Bosch Rexroth社にとっては、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)やEUのエネルギー効率指令など、エネルギー管理とカーボンフットプリントの報告が要求される業界の標準や規制に準拠しやすくなるというメリットにもつながっています。