ガートナー社 2025年 SIEM部門のマジック・クアドラント
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2026年、経営陣は重大な転機を迎えています。従来の事後対応型の運用では、もはやビジネスのレジリエンスの確保やリアルタイムの意思決定の推進について、十分な対応ができなくなっているのです。
これに対処するソリューションとして、統合型のオブザーバビリティが急速に広まりつつあります。こよって、組織は単なるインシデント対応から脱却して、問題をプロアクティブに防ぎ、脅威を直ちにブロックし、運用パフォーマンスをビジネス成果に直接結び付けられるようになります。
オブザーバビリティとAIの成熟に伴い、システムの機能は強化されるでしょう。たとえば、顧客が気付く前に問題を検出して解決し、攻撃を発生の初期段階で封じ込め、収益やリスクやカスタマーエクスペリエンスへのリアルタイムの影響について経営陣に最新情報を継続的に提供するなどです。
現状では、オブザーバビリティによって何が起きたかを知ります。そしてセキュリティツールから異なる情報を受け取り、インフラ管理プラットフォームからはさらに別の情報が提供されます。人間が情報を7つの異なるダッシュボードにわたって確認し、手作業で相関付けた頃には、貴重な時間が経過し、顧客にはすでに影響が及んでしまっています。このモデルは高コストなうえ、スピードが遅い事後対応に終始しており、時代遅れとなりつつあります。
今後は、統合型のオブザーバビリティによって、人間が気付きもしないうちに問題がすばやく修正されます。さらに、攻撃の拡散が阻止されるとともに、運用データがビジネス上の意思決定、収益、顧客の定着、コンプライアンス、リスクに直接リアルタイムで結び付けられます。こうした「自律型システム」を支えるうえで、画期的なテクノロジーが占める割合は少なくなっています。一方、厳格なデータ管理、テレメトリに関する共通の標準、そして組織内の各部門(セキュリティ、運用、開発)間の緊密な連携が占める割合は多くなっています。
2026年の末には、先進的な企業は、インフラやセキュリティ上の重大なインシデントの大半を自律的に解決し、検出と復旧にかける時間を日単位や時間単位から分単位にまで短縮しているでしょう。この変化が加速するにつれて、テレメトリの統合を推進し、本番環境での自動化に信頼を寄せるリーダーは、ビジネスレジリエンスを向上させ、利益率を改善し、顧客ロイヤルティを強化して、運用効率と市場競争力において決定的な優位性を獲得するでしょう。具体的には、AIエージェントが問題の兆候をデータベースコネクションの枯渇と関連付けるとともに、新規作成された認証情報に関する異常なクエリーパターンを検出し、その両方を最近の設定変更と相関付けます。そして数秒のうちに、侵害されたリソースを隔離し、悪意のあるトラフィックを遮断し、認証情報を更新し、健全なリソースを再び確保します。以前であれば、ダウンタイムが発生し、1時間以上にわたり顧客に影響を及ぼしていたでしょう。それが、わずか数秒の中断に短縮され、しかも完全なフォレンジック記録がセキュリティチーム、運用チーム、製品チームの間で自動的に共有されます。
これこそ、自律性の実践です。マシンスピードで検出、診断、そしてクロスドメインの修復を行い、しかも手動のトリアージに伴うボトルネックは生じません。
人間は常に、最も重要な場面に関与しており、全体を監督し、ガードレールを設定し、戦略的な課題について最終判断を下します。機械のほうは、ノイズや定型作業を処理します。人間の役割は、ミッションを推進し、判断を下し、説明責任を保つことです。こうしたかたちで、制御を手放すことなくスピードを実現することができます。
先進的な組織は、インフラやセキュリティ上のインシデントの大半を自律的に解決し、数日かかっていた侵害の検出を数分に短縮するとともに、システム停止の時間を大幅に削減するでしょう。そして、リアルタイムのフィードバックループによってリリースサイクルを短縮しながら、統合と自動化によって予算と要員を手動のトリアージから解放し、より高い付加価値のイノベーションとリスク低減に振り向けているでしょう。
こうしたメリットはIT部門にとどまらず、広範囲に及びます。インシデント対応の向上によって、顧客への影響が軽減され、顧客維持率が向上します。セキュリティ問題の検出スピードが上がれば、侵害範囲が縮小し、規制に関するリスクが低減されます。イノベーションの加速は、製品の改良と市場シェアの優位につながります。コストの削減によって、利益率が向上し、再投資の余裕が生じて、戦略上の柔軟性が生まれます。リーダーにとって重要なのは、問題に先手を打って収益と評判を守ること、侵害を公になる前に抑え込むこと、そしてツールの重複や煩雑な手作業をなくして予算の浪費を防ぐことです。
多くの企業はデータ管理に守りの姿勢で臨んでおり、コンプライアンス、コスト管理、稼働率というものが基本になっています。
今後は、統合されたクリーンなデータを適切に管理している組織のみが、AIによる運用実務上の課題解決の見込みを現実のものにできるでしょう。
AIによって安全で信頼できる結果を得られるのは、基盤となるデータが標準化され一貫性を保っている場合だけです。ばらばらに分断されたテレメトリでは、信頼性が損なわれ、コストのかかるエラーが生じます。
組織が自律的なAIの時代をリードするには、次の3つの戦略的な取り組みに注力することです。
先見性のある企業はすでに動き出しています。その最初のステップは、オブザーバビリティの現状を率直に検証することです。このステップは統合の取り組みではありません。リーダーは自社の環境を精査し、実際に使用されているツールの数、チーム間での重複の程度、コストがかさんでいる箇所、死角が残されている箇所を把握します。この検証によって多くの組織では、保有するツールの数が想定を大幅に超えること、チーム間で認識の共有が不十分なことが明らかになります。そこで得られる成果は、即時の削減ではなく、明確化です。この明確さがなければ、自動化や統合でどのような取り組みを行っても、その基盤は事実ではなく想像ということになってしまいます。
これらのリーダーたちは同時に、議論の方向性を変えています。焦点はもはや、どのプラットフォームを標準化するかではなく、日常業務で自動化の信頼性を確保するには何が必要かということなのです。この変化で必要とされるのは、より早い段階からセキュリティ、運用、開発の各部門が連携を行い、ガバナンス、説明責任、リスク耐性について歩調を合わせることです。こうした検討を今実行している組織は、新たな統合プラットフォーム内でもサイロを再び構築するだけという事態を避けるうえで、他社より有利な立場に位置しています。
これらのリーダーはさらに、新しいテクノロジーの採用に先立って、テレメトリに関する標準を確立しています。命名規則、タグ付け、保持ポリシー、アクセス制御は小手先の対策に見えるかもしれません。しかしこれこそが、有意義なインサイトなのか、単に統合が進んだだけのノイズなのかという違いにつながるのです。ガバナンスを最優先するチームは、確信を持って統合を推進でき、何年にもわたり技術的負債の後始末に追われる状況を避けられます。
優れた組織は、オブザーバビリティを直接ビジネス成果と連携させています。テレメトリがビジネスKPIに関連付けられていれば、意思決定はより速く、より明確になり、取締役会でも説明しやすくなります。
こうした動きは、今まさに進行中です。来年の話ではありません。いち早く行動を起こすリーダーは、自律型のインテリジェンスによって運用とビジネスで真の効果を達成するための基盤を構築しています。
自律型システムへの移行に伴い、真の学習能力と自己修正能力を備えた企業は、他の企業から抜きん出ることになるでしょう。今すぐ行動をとり、統合テレメトリを推進し、統合へのロードマップを実行に移し、ビジネスの主要な指標と連動した自律化パイロットに投資する組織は、2027年には同業他社よりも低コスト、高レジリエンス、高速な展開を実現するでしょう。自律型のシステムによって運用面での優位性が高まるにつれ、競争力の差は広がるばかりでしょう。今は機会が開かれていますが、長くは続きません。決断力をもって今すぐ行動するリーダーこそ、今後10年の運用基準を確立することになります。
Splunkの「2026年の予測」シリーズから他のレポートをご覧ください。このシリーズでは、セキュリティ、オブザーバビリティ、AIの未来を展望しています。トピックには、SOCとNOCの統合、生成UIインターフェイス、的確にリスクをとることでセキュリティ態勢を強化できる理由、適応型AIの台頭などを取り上げています。
このブログはこちらの英語ブログの翻訳、前園 曙宏によるレビューです。