Splunk AppDynamicsはビジネスパフォーマンスと関連付けられたフルスタックのオブザーバビリティを実現し、ハイブリッド環境でもオンプレミス環境でもアプリケーションのパフォーマンスを最適化します。

180以上のアプリケーションで優れた可用性を実現
AppDynamicsの主要なパートナーであるPerform ITは、従来の監視ツールをAppDynamicsに置き換え、FABがより俊敏かつ統合的なアプリケーション管理を実現できるよう支援しました。これにより、プロアクティブなアラートと動的なベースライン設定を通じて、チームはパフォーマンスの問題を顧客に影響が及ぶ前にすばやく特定し、対処できます。また、アプリケーションシステム全体を完全に可視化することで、パフォーマンスの問題の根本原因を理解し、表面的な対処にとどまらず、問題の発生源で適切なトリアージを行うことが可能です。
FABは当初、60のビジネスアプリケーションをAppDynamicsに登録しましたが、優れた成果と従業員からの高い評価を受け、利用開始からわずか1年でその数は120に増加しました。現在、同行はAppDynamicsを使用して180以上のアプリケーションを監視し、組織のあらゆるチームに価値をもたらしています。FABの現地チームは、登録作業の標準化や、アプリケーションチームによるAppDynamicsの活用を推進しており、Perform ITはこうした取り組みを支援しています。
「AppDynamicsの導入効果はすぐに現れました。私たちが新しいアプリケーションを今も次々とこのソリューションに登録しているという事実が、その価値を証明しています」と、FABでエンタープライズツールおよび自動化担当バイスプレジデントを務めるNavid Thakur氏は語ります。「これは同時に、当行の従業員がサービスの継続的な改善に真摯に取り組んでいる証しでもあります」
フルスタックのオブザーバビリティを実現するうえで欠かせない要素として、AppDynamicsは幅広い効果をもたらしました。その結果、FABのビジネス、IT運用、開発、およびテストチームのパフォーマンスが大きく向上しています。このソリューションの導入によってチーム間のサイロが解消されたため、今では各チームが緊密に連携しながら、パフォーマンスの問題をかつてないスピードで検出、警告、解決できるようになりました。
「フルスタックのオブザーバビリティの実現に向けた取り組みの一環として、AppDynamicsを活用してアプリケーションのパフォーマンスをプロアクティブに管理することで、ビジネス全体に具体的な価値をもたらしています。現時点で180を超えるアプリケーションが稼働していますが、インシデントは減少し、可用性は向上しています。これにより、チームの負担軽減とともに、カスタマーエクスペリエンスの向上も実現しています」と、Navid Thakur氏は言います。
DevOpsのマインドセットを導入
AppDynamicsは、UAEの銀行業界で新たなITアプローチを開拓するFABの取り組みを支援しています。FABは、オンプレミスITアプリケーションからSoftware-as-a-Service (SaaS)クラウドテクノロジーへの移行を国内でいち早く実現した銀行の1つであり、AppDynamicsを活用してサービス全体の可視性を維持しています。現地パートナーのPerform ITは、AppDynamicsとクラウドネイティブアプリケーションに関する専門知識を活かし、FABとそのデジタルトランスフォーメーションの取り組みに対して最適な支援を提供しました。
この取り組みと並行して、FABはアプリケーションの管理と開発にDevOpsの考え方を取り入れようとしています。従来のプロジェクト納品では、アプリケーションは完成後すぐに本番環境に投入されますが、FABは現在、各チームが自ら開発したアプリケーションに責任を持ち、新たなサービスを最適化するように促すことで、カスタマーエクスペリエンスのさらなる向上を図っています。
「私たちの目標は、FABのすべてのサービスチームがいつでもAppDynamicsを利用できるようにすることです。そうすれば、パフォーマンスの問題に対処して常に業務をスムーズに進められるだけでなく、システムの挙動を詳しく把握し、アプリケーションをこれまで以上に強化する新たな方法を特定できるようになります」と、Emma Lewis氏は言います。「どうすれば対応時間を短縮できるでしょうか。ピーク時に発生するパフォーマンスの低下やサービスの問題を解消するにはどうすればよいでしょうか。どうすればカスタマーエクスペリエンスを向上できるでしょうか。このような問いかけが、業務の進め方や市場へのサービス提供のあり方を変革する鍵となります。そして今、私たちはその答えを見つけるためのソリューションを手に入れたのです」と、同氏は付け加えました。
FABはさらに、アプリケーション開発をクラウドマイクロサービスへと移行し、Kubernetesを活用して管理やデプロイを行うことも計画しています。この新しい環境では、アプリケーションのパフォーマンスを可視化することが不可欠です。同行がIT運用の最新化を図るためにAppDynamicsを採用したもう1つの理由は、ここにあります。
AppDynamicsとPerform ITの力でさらなるビジネス価値を実現
AppDynamicsの機能とPerform ITの専門知識を活用することで、FABは典型的な分散型ビジネスフローがもたらす影響を最小限に抑えることに成功しました。
AppDynamicsがサードパーティツールと連携することで、データをシステムから抽出したり、システムに取り込んだりすることができます。AppDynamicsは監視ツール群の中で中心的な役割を担い始めており、AppDynamicsを活用した運用は日常的な業務プロセスとして定着しつつあります。さらに、連携が必要な場面で即座に対応できることも、タイトなスケジュールで成果を求められがちなDevOpsの手法に適しています。
エージェントのデプロイの自動化は、FABの監視導入戦略における重要な要素です。AppDynamicsの機能とPerform ITの専門知識を組み合わせることで、FABは環境に最適な自動化の機会を見極め、実装できるようになりました。
顧客と従業員に革新的なエクスペリエンスを提供
アプリケーションポートフォリオ全体でダウンタイムとパフォーマンスの問題を削減するというFABの取り組みの第1段階は、大きな成功を収めました。最近実施した効果測定の結果、数十人の従業員が、AppDynamicsの利用によってアップタイムが向上し、問題解決が迅速になったと報告しています。
たとえば、POSと統合型セルフサービスバンキングを提供するビジネスクリティカルなサービスで、ダウンタイムが61%削減されたほか、インターネットバンキングとモバイルバンキングでは87%、多通貨口座サービスでは98%という驚くべき削減率を達成しています。
FABの即時与信判断エンジンを担当するチームは、ビジネス関係者からのリクエストに迅速に対応し、パフォーマンス上の問題についても、根本原因をより早く特定できるようになったと報告しています。対応時間は120ミリ秒から70ミリ秒へと短縮され、42%もの改善を達成しました。
Navid Thakur氏が同じくらい重要な成果と考えているのは、チームがFABのパフォーマンスについて、より詳細なレベルで新たなインサイトを得られたことです。AppDynamicsのダッシュボードを活用することで、開発チームやサポートチームは、従来の監視ソリューションでは検出できなかった異常を発見し、プロアクティブに対応、修正することが可能となりました。これにより、重大なインシデントの発生を未然に防止できるようになりました。
「私たちの業務改革は、すべてAppDynamicsによる可視化の実現から始まりました」と、Navid Thakur氏は語ります。「アプリケーションのパフォーマンスを完全に把握できるようになったおかげで、プロアクティブな対応が可能になったため、サービス部門はいち早く問題を検出および分析して、可能性の高い原因や、場合によっては正確な根本原因を特定できるようになりました」
さらにNavid Thakur氏は、次のように続けます。「製品ベンダーであるシスコや、プラットフォームへのサービスの実装や登録を担うパートナーであるPerform ITと提携したことは、非常に大きな価値がありました。企業が先進的なテクノロジーを活用するには、高度なスキルが求められます。私たちは、AppDynamics製品の導入を加速させるうえで、Perform ITこそが最適なパートナーであると実感しました」
プロアクティブな対応を重視する文化を構築
FABは現在、パフォーマンスの最適化に加え、従業員がAppDynamicsを最大限に活用し、独自のレポートやダッシュボードを作成して、カスタマーエクスペリエンスのさらなる向上につながるインサイトを発見できるようトレーニングすることに重点を置いています。
プロアクティブな対応がITチームの新たな基準となった今、彼らはシステムやアプリケーションコードの監視にかつてないほど力を入れています。AppDynamicsの導入によって、ギャップや改善の機会をこれまで以上に簡単に特定できるようになり、FABのテクノロジーの進化に伴って文化の変革も加速しています。決済システムで5秒の遅延をすばやく検出して解決する場合でも、コーディングエラーを修正する場合でも、AppDynamicsが提供するツールを活用することで、チームはビジネスに重大な影響が及ぶ前に問題を解決できます。
たとえば、FABのモバイルバンキングアプリケーションは、サービスの品質低下の兆候をチームに通知することで、顧客に影響が出る前に迅速に対応できるようにしています。また、AppDynamicsも異常を検出して早い段階で通知するため、チームは根本原因をすばやく特定し、潜在的な問題を数分で解決することができます。
「私たちは、チームの成長と自律性の強化に真摯に取り組み、業務管理のあり方を変革しています」と、Emma Lewis氏は述べます。「AppDynamicsを活用することで、アプリケーションオーナーのモチベーションを高め、ビジネスと顧客をつなぐ先駆者としての彼らの貢献を正当に評価できます」
フルスタックのオブザーバビリティに向けた展望
FABは、カスタマーエクスペリエンスをさらに最適化できるソリューションを追求し続けています。最近も、デジタルエクスペリエンスを包括的に監視する目的で、ThousandEyesをテクノロジースタックに追加しました。
「AppDynamicsとThousandEyesの組み合わせにより、デジタルサプライチェーン全体をさらに深く把握できるようになります。私たちは、フルスタックのオブザーバビリティの実現に向けて前進し続けながら、お客様に卓越したエクスペリエンスを提供できるよう、今後も体制づくりに取り組んでまいります」と、Emma Lewis氏は締めくくりました。