公開日:2023年2月13日
データ構造とは、データを編成するための形式のことで、これにより、データを有意義的な形で保存、取得、処理、使用することができ、これらの機能の迅速化と効率化を図れます。コンピューターでデータを活用するには、データを理解、発見、整理して、適切な場所に送信できる必要があります。最新のコンピューティングの価値を高めるアルゴリズムやアプリケーションを構築する鍵は、データ構造が握っています。データ構造は、データの最も単純な形式であるデータ型に始まり、コンピューティング能力を駆使する最も複雑な構造(アルゴリズムやアプリケーション)の向上へとつながります。
データ構造には、さまざまなコンピューティング処理を促進するために種類がいくつかありますが、そのいずれもデータを保存したり、オペレーターがデータを簡単に使えるようにしたりすることを目的としています。また、データ構造はデータサイエンスでデータを活用する際にも有用で、計算アルゴリズムやソートアルゴリズムに組み込んで固有の機能を実現できます。
データ構造についての理解を深めるために、データ構造の基礎、種類、相互作用やデータ構造が重要である理由について説明するとともに、いくつかの例とベストプラクティスをご紹介します。
データ構造は主に、プリミティブ、非プリミティブ、線形、非線形として定義できます。
さまざまなデータ構造がありますが、最も一般的なものは次のとおりです。
主なデータ構造の特徴を以下に挙げます。
データ構造は、ソートなどのアルゴリズム、コンピュータープログラム、JavaScriptやPythonをはじめとしたプログラミング言語の構成要素です。ソフトウェアエンジニアリングにおけるデータ型は、データ構造の構成要素であり、基本的な演算処理の基盤です。データ型によって、変数にどのような値を格納するかを指定し、利用できる数学演算、関係演算、論理演算などが判断されます。言い換えれば、データ型とはデータの一部に関連付けられた属性であり、コンピューターにそのデータの解釈方法を指示するものです。
コンピューターでは、データ型に基づいて、データの演算方法や使用方法が決まります。たとえば、integer型であれば、そのデータの値は整数として、character型の場合は、テキストなどの文字列として認識されます。そのため、データ型を定義することで、コンピューターが整数と文字を乗算(25 x Bob)しないようにして、エラーを防ぐことができます。
よく見られる基本的なデータ型には次のものがあります。
よく見られる基本的なデータ型には、ブール型、整数型、文字型、浮動小数点数型、ポインター型、文字列型などがあります。
データモデルとは、データ要素やグラフデータ構造を、ノードや関係性も含めて視覚的に表現したものです。情報システムの構築をサポートするうえで、データの使用方法に基づいて組織内のデータの構造を定義するのに役立ちます。データモデルは、組織がデータをどのように保存、共有、管理、使用するかを示す設計図といえます。
データモデルには、抽象的なものから詳細なものへと段階的に変化する、概念、論理、物理の3つの主要なタイプがあります。
多くのデータモデルには、データ構造を扱う以下のような特定の順序方式があります。
データモデルには、主に概念、論理、物理の3つのタイプがあります。
データおよびデータベース理論におけるデータ階層とは、指定の順序(この場合は階層)に基づいてデータを編成する方法をいいます。データは、文字、フィールド、レコード、ファイルなどのコンポーネントで構成されます。階層構造では、要素は相互に論理的な関係を持つように順序付けられます。
顧客データベースを例に挙げてみましょう。各顧客レコードには、姓、名、会社、役職、部門などの情報が登録されています。階層関係では、こういった項目が階層の要素として上下関係で示されるため、Julia LopezがXYZ社の経理部門のシニアマネージャーであるとデータベースで処理できます。
一般的なデータ階層は、最小のデータ型(データフィールド)から始まり、より複雑な組み合わせへと作り込まれていきます。
非構造化データとは、従来のデータモデルに即していないデータのことで、リレーショナルデータベースで保存したり管理したりすることができません。また、非構造化データをデータモデルやスキーマに落とし込むこともできません。
構造化データは通常、文字や数字で構成されています。一方、非構造化データは、任意の種類のデータであり、ネイティブのファイル形式で保存され、数字、単語、日付、その他の種類の情報などのデータが含まれます。
形式のほかに、構造化データと非構造化データの主な違いとして挙げられるのが、その使用方法です。データ構造を作成する目的は、データを機械学習アルゴリズムやコンピュータープログラム、アプリケーションで活用することにあります。そのため、理解のしやすさと使いやすさを特に重視して構造化されています。対して、非構造化データは一貫性がなく、所定のデータ構造に沿って整形されていないため、通常、非構造化データを理解し解析するために特別に用意されたアプリケーションでのみ使用できます。
データログとは、1つ以上のデータセットに対してファイルに取得、保存、表示するアクティビティ、イベント、アクションの記録であり、その目的はパターンの発見、アクティビティの分析、イベントやトレンドの予測です。システム管理者は、データのサイズ、変更の種類、変更者などのイベントを記録できるログデータを使用して、システムの経時的なパフォーマンスの監視や分析を行えます。
また、サイバーセキュリティやコンプライアンスの担当者であればログデータを活用して、システムにアクセスしたユーザーを確認したり、監査証跡を分析してマルウェアを検出したり、ネットワーク内の疑わしいアクティビティを特定して監視したりすることができます。
ログの種類には、境界上のデバイスログ、Windowsイベントログ、エンドポイントログ、アプリケーションログ、プロキシログ、IoTログなどがあります。ログ形式としてよく使用されるのが、CSV、JSON、キーと値のペア、共通イベント形式(例:Syslog)です。
ログはアクティビティの履歴を記録した情報です。そのため、何らかのデータ構造または優先度付きキューのインデックスで分類/格納することで、優先度や使用頻度に基づいて優先順位を付けて利用できます。また、障害やクラッシュが発生した場合に、データと関連構造を復元するための権限および信頼できる情報源としても使用されます。
データ構造は、基本的な型に合わせてデータをまとめ、使用に適した形式で格納し、特定の機能を実行するアルゴリズムを構築するうえで重要です。データを構造化することで時間を節約できるだけでなく、コンピューターでデータの保存、取得、処理などの操作をより効率的に実行できるようになります。
また、アルゴリズムやアプリケーションで処理できるように抽象的なデータ要素をまとめることができます。たとえば、「顧客名」というラベルは抽象データ型であり、「姓」と「名」の文字列で構成されます。しかし、「顧客名」を定義するデータ構造がなければ、アプリケーションでデータを適切に使用できません。
また、データ構造を活用することで、とても効率的にアルゴリズムやアプリケーションを構築できます。プログラムを書くときにデータ構造を使用して関数を作成すれば、データ型を個々に宣言する必要がなくなるためです。
Deloitte社が2019年に実施した調査によると、非構造化データを活用できていると回答した組織はわずか18%でした。しかし、非構造データに内在するインサイトを引き出せれば、大きなビジネス価値を生み出せる可能性があります。非構造化データの実際のユースケースには、次のようなものがあります。
データ構造は、データサイエンスとコンピューターサイエンスの基本的な構成要素の1つです。プログラミングで使用できるように、最も小さく最も単純なデータ型で最小限のコンテキストを取得してグループ化すると、アルゴリズム、アプリケーション、オペレーティングシステムを駆使して、特定の有用なタスクを実行できます。データ構造の仕組みを理解することはプログラミングの要であり、データ構造を用いて計算処理をすることは、効果的なアプリケーションを作成するための鍵となります。データ構造が優れたコードを作成するための秘訣であるのは、実用的なアプリケーションを開発するためだけでなく、プログラマーが解決しようとしている問題や達成しようとしている目標の理解を深めるのにも役立つからです。
IT/オブザーバビリティに関する予測
驚きに勝るものはありません。すべてを受け止める準備を整えておきましょう。Splunkのエキスパートが予測する、来年の重要なトレンドをご確認ください。
Splunkプラットフォームは、データを行動へとつなげる際に立ちはだかる障壁を取り除いて、オブザーバビリティチーム、IT運用チーム、セキュリティチームの能力を引き出し、組織のセキュリティ、レジリエンス(回復力)、イノベーションを強化します。
Splunkは、2003年に設立され、世界の21の地域で事業を展開し、7,500人以上の従業員が働くグローバル企業です。取得した特許数は850を超え、あらゆる環境間でデータを共有できるオープンで拡張性の高いプラットフォームを提供しています。Splunkプラットフォームを使用すれば、組織内のすべてのサービス間通信やビジネスプロセスをエンドツーエンドで可視化し、コンテキスト(把握したい要素) に基づいて状況を把握できます。Splunkなら、強力なデータ基盤の構築が可能です。
日本支社を2012年2月に開設し、東京の丸の内・大手町、大阪および名古屋にオフィスを構えており、すでに多くの日本企業にもご利用いただいています。
© 2005 - 2023 Splunk Inc. 無断複写・転載を禁じます。
© 2005 - 2023 Splunk Inc. 無断複写・転載を禁じます。