Splunk AppDynamicsはビジネスパフォーマンスと関連付けられたフルスタックのオブザーバビリティを実現し、ハイブリッド環境でもオンプレミス環境でもアプリケーションのパフォーマンスを最適化します。

サイロ化を解消してカスタマージャーニーを改善
AutoNation社は、アプリケーションのパフォーマンスを監視するために、長年にわたってさまざまなツールやシステムを使用してきました。このようなサイロ化された監視および管理アプローチのために、環境を隅々まで可視化できず、ITチームはそれぞれの担当範囲内で問題に事後的に対応するしかありませんでした。
「ほぼ毎日、何らかのアプリケーションやインフラの問題に対処しなければならない状況でした」とRasner氏は当時を振り返ります。「テクノロジーの保守とサポートの担当者は、自分の担当範囲外の状況を把握できなかったため、問題を事前に察知できず、影響を受けたユーザーから連絡があるまで、問題に気付かないまま運用を続けているような状態でした」
同社が従来のオンプレミスのデータセンターモデルから脱却し、より柔軟でスケーラブルなクラウドプラットフォームを既存のインフラに追加し始めた段階で、このままでは対応しきれなくなることが明らかになってきました。同社が描くビジョンを実現するためには、AppOpsチームとNetOpsチームを連携させ、エコシステム全体から引き出した詳細かつ実用的なインサイトを活用できるようにする必要がありました。
「当社では、既存アプリケーションのモダナイゼーションから、アマゾン ウェブ サービス(AWS)やMicrosoft Azureといったクラウド上での新たなアプリケーションの新規開発に至るまで、数多くのエキサイティングな取り組みが進行中です」とAutoNation社のチーフアーキテクトであるKeith Kelly氏は述べます。「しかし、こうした取り組みが進む一方で、すべてのシステムとアプリケーションのパフォーマンスを把握できる単一の情報源が欠如していたため、ダウンタイムやシステム停止のリスクが大幅に増加し、お客様や社内チームに悪影響を及ぼす可能性がありました」
Kelly氏によれば、こうした可視性の欠如が原因で、実際にITチームと顧客対応チームの間に摩擦が生じたり、責任を押し付け合って対立したりすることもあったそうです。
「相互接続されたシステムが非常に多く、1つのアプリケーションが他の15ものアプリケーションに依存しているケースもあります。それらのいずれかに問題が発生すると、波及的な影響が生じて、オンライン取引が失敗したり、従業員がリアルタイムでお客様を的確にサポートするのが難しくなったりする可能性があります」と彼は言います。「お客様の購入体験に直接影響が及ぶような事態になれば、当社のテクノロジーやそれを支えるスタッフに対するビジネス関係者からの信頼が損なわれてしまうでしょう」
絶えず前進してギャップを埋める
ITチーム間のギャップを埋め、アプリケーションエコシステム全体の健全性とパフォーマンスをリアルタイムで可視化するために、AutoNation社はAppDynamicsを導入して最先端のデジタルトランスフォーメーションを加速しました。
テクノロジースタック全体を包括的に可視化できる業界トップクラスの広範な監視機能が決め手となり、AppDynamicsの導入はほぼ迷うことなく決定されました。
同社のITチームは、AppDynamicsを使用して、オンプレミス環境とクラウド環境に展開されたエンドユーザーアプリケーションやバックエンドアプリケーションなど、アプリケーションデリバリーチェーンのすべてのコンポーネントを1つのプラットフォームから監視しています。AppOpsチームとNetOpsチームは共通の言語を手に入れたことで、連携してアプリケーションの問題をコードレベルまで掘り下げて調査し、根本原因の究明と解決を迅速に行って、運用全体を最適な状態に維持できるようになりました。
「Splunk AppDynamicsによって、AWS、Azure、オンプレミス環境にまたがるアプリケーション、データベース、サーバーインフラの状態を一元的に把握できるようになりました。トランザクションに基づいたリアルタイムの実用的なインサイトは、お客様のエクスペリエンス向上にも役立っています」とKelly氏は説明します。「当社のアプリケーションエコシステムには多数の依存関係があるため、フロー全体を1か所で確認できる機能は非常に有効です。これを活用することで、トラブルシューティングやインシデント対応のスピードが向上し、ひいてはお客様と従業員全体のエクスペリエンス改善につながります」
AppDynamicsがもたらす価値はこれだけではありません。Rasner氏は、アプリケーションパフォーマンスがビジネス全体に与える影響をチームが把握できるようになったことで、同社が大規模な改善を成功させ、現在そして将来にわたってビジョンを実現できると考えています。
Rasner氏は言います。「単に異常を知らせるだけの他のツールとは異なり、AppDynamicsはデータとアラートを相関付けることで、潜在的なパフォーマンス低下の原因に先手を打って対応できるよう支援してくれます。そのため、カスタマーエクスペリエンスや収益に影響が及ぶ前に問題を解決できるのです。さらに重要なのは、自社開発のアプリケーションからも、単一のカスタマイズ可能なダッシュボードに直接データが送信されるようになったことで、あらゆるアプリケーション、データベース、システムの完全な可視化が可能になった点です。これにより、ユーザーのすべてのタッチポイントに具体的な基準となるしきい値を設定し、それを高い精度で管理および監視できるようになりました」
将来を見据えた基盤作り
AutoNation社の複雑な運用体制にこれほどの効果をもたらしたソリューションは、AppDynamicsを除いてはほとんどなかったとRasner氏もKelly氏も口を揃えます。AppDynamicsはSaaSで提供されるため、ITチームは新たなプラットフォームを管理する負担から解放されます。また、アプリケーション環境で発生するあらゆるアクティビティと現場のユーザーエクスペリエンスの関係を、かつてないレベルで可視化および制御し、直接的に相関付けて把握できます。
「今日のビジネス環境では、常に先を見据えて動く必要があります。何か起こってから反応するのでは遅すぎます。AppDynamicsのおかげで、私たちはプロアクティブな視点を得ることができました。今では、アプリケーション、データベース、基盤インフラを監視し、イベントデータを相関付け、問題が発生する前に先手を打つことができるようになりました」とRasner氏は語ります。「さらに、開発者は、自分たちが構築したものが社内の他のシステムにどのような影響を及ぼすかをメトリクスに基づいて事前に把握できるようになり、新たなサービスを構築および展開するアプローチが変革の中で一変しました」
Kelly氏は、AppDynamicsが重要なサービスの中断を大幅に削減するのに大いに役立った一方で、それ以上に、会社の文化やチーム間の関係性にもたらした影響が大きいと感じています。「AppDynamicsのおかげで、重大度1のチケットを最大90%削減できました。これだけでも非常に大きな成果と言えます」と彼は強調します。「しかし、それにも増して重要なのは、IT部門とビジネス部門の両方のチームが、共に手を取り合って目標に集中できるようになったことです。以前のように互いを非難し合ったり、自分たちの縄張りを守るために無駄な時間を使ったりすることはもうありません」
AutoNation社は自動車サービス業界の革新に挑み続けています。そのビジョンの実現を支えるパートナーとして、シスコは今後もインフラの最適化、ネットワーク監視、パフォーマンス管理、セキュリティ強化に貢献する製品を提供していきます。
「ビジネスを変革するだけでも十分に困難ですが、業界に革命を起こすとなると、まったく別の難しさがあります。新しいアイデア、ツール、コンセプト、例えばモバイルアプリの機能、次世代のテクノロジー、インタラクティブな体験といったものすべてが、収益に大きなプラスになる場合もあれば、とてつもないマイナスになる場合もあります」とRasner氏は説明します。「AppDynamicsのようなソリューションがあれば、私たちは、自動車のカスタマージャーニーにおける顧客の行動を一新する革新的な製品やプログラムを、リスクを抑えながら、自信を持って積極的に推進することができます。今後の可能性に大いに期待が高まります」