データインサイダー

ビジネス分析とは

ビジネス分析の内容、メリットと用途

ビジネス分析とは、組織のパフォーマンスに関する重要なデータを組み合わせてプランニングとパフォーマンスを向上させる手法です。これを活用することで、組織全体のパフォーマンスを評価したり、事業部門、プロセス、プロジェクト、製品にとって重要な特定のKPIを評価したりできます。

ガートナー社はビジネス分析を次のように説明しています。「データマイニング、予測分析、応用分析、統計を含むもので、ビジネスユーザーに適したアプリケーションとして提供されます。これらの分析ソリューションには多くの場合、業界のビジネスプロセス(請求、引受、特定の規制要件など)を対象とした事前構築済みの業界コンテンツが付属します」。

ビジネス分析は、統計分析と定量分析を幅広く活用するとともに、多少なりとも定性分析を利用しています。統計分析は、トレンドを特定したうえで予測分析を適用し、次にとるべき行動の意思決定につなげることを目指すものです。定量分析は、統計的モデリングと数学的モデリング、測定、調査を使ってデータを分析し、過去の意思決定がビジネスに与えた影響を判断します。つまり、過去を踏まえ将来に向けて効果的な打ち手を判断するのに役立つ、具体的な数字を提供してくれます。

ビジネス分析の目的

ビジネス分析の目的とは

ビジネス分析の目的は、重要なパフォーマンスデータの特定、収集、分析を行うことにより、過去のイベントが「どのように」「なぜ」起こったのかを徹底的に把握することです。これによって、将来に向けた意思決定を改善することができます。

ビジネス分析ソリューションを利用すれば、企業全体で過去のデータを統合できます。ビジネス分析を適用することで、ビジネス上の意思決定を導き、迅速化し、パフォーマンスを向上できます。これにより、カスタマーエクスペリエンスの向上、製品の改善、マーケティングの最適化、ビジネスプロセスの強化が実現しやすくなります。

ビジネス分析にできること

ビジネス分析によって、データから実用的なインサイトを導き出し、戦略レベルおよび戦術レベルの意思決定に役立てることができます。たとえば、ビジネスプランニングの改善、顧客ロイヤルティの理解と強化、コンタクトセンターやヘルプデスクのパフォーマンスの向上といったものです。

ガトウィック空港ではビジネスデータを使用して、より的確なカスタマーエクスペリエンスを構築しています。自社システムのデータとソーシャルメディアのアクティビティを監視することで、乗客の流れをより正確に予測できるからです。

データプラットフォーム(リレーショナルデータベースなど)やデータの可視化(ダッシュボード)といったビジネス分析ソフトウェアツールを組み合わせて使用することで、ビジネスの関係者はより効果的に業務運営を管理できます。

 A typical business analytics dashboard.

ビジネス分析の重要性

ビジネス分析は、変化の激しい業界の中で競争力を高めようとする組織にとって重要なツールです。アクティブなデータ分析に基づいた迅速かつ適切な意思決定を強化することは、ビジネスの成功に不可欠と考えられています。ビジネス分析ソフトウェアを使えば、技術的な知識を持たないユーザーでも、パフォーマンスデータからインサイトを容易に引き出すことができます。

分析とビジネスのエキスパートであるTom Davenport氏は、次のように述べています。「ビジネス分析ツールによって、分析スキルを持たない人でも、データを見つけて必要な分析を特定できるようになっています。その結果、組織の多くの部署でデータに基づく意思決定を行えるようになります。このトレンドは数年前から始まっていますが、今後も長年にわたり続くでしょう」。

ビジネス分析のメリットと用途

ビジネス分析のメリットとして、コスト削減、リソース配分、プロセスの改善、製品とカスタマーエクスペリエンスの向上、将来のニーズへの対応力の強化などが挙げられます。

ビジネス分析ソリューションを使用すると、企業全体からソースを問わずに重要なデータを収集して統合することが可能となります。これにより、必要な答えを見つけやすくなり、的確な意思決定を迅速に下すことができます。さまざまな業界に目を向けると、ビジネス分析を導入することで以下のように多大なメリットを得られます。

  • 金融サービスは、顧客がオンサインサービス(ローンの申請プロセスなど)をどのように利用しているのかを明確に把握することで、カスタマーエクスペリエンスを向上させる方法を知ることができます。
  • 医療会社は、保険金請求の遅れやミスを検出するなど、コスト削減の新たな方法を見つけ出せます。
  • 小売業者は、顧客が自社のWebサイトをどのように利用しているのかを詳細に把握することで、効果的で満足度の高いカスタマーエクスペリエンスを実現できます。
  • 製造業者は、自社のサプライチェーンの品質、コスト、適時性などをより詳細に把握できます。また、需要動向を把握する精度を高めることにより、倉庫のスペースを最適化して需要の急増に備えることができます。
ビジネス分析の分類

ビジネス分析とビッグデータ分析の違い

ビッグデータ分析は、ビジネス分析で多く使用されるものです。具体的には、テーブル内で完全に構造化されていない多種多様な大量の電子データを収集して調査するプロセスを指し、それによってパターン、相関関係、トレンドなどのインサイトを見つけ出します。ビッグデータ分析には、多くの場合、予測モデリング、統計的アルゴリズム、予測分析、what-if分析などの高度な技術が必要です。

ビジネス分析とビジネスインテリジェンスの違い

ビジネス分析とは、ビジネス上の意思決定をサポートする多彩な手法を包括的に指す用語です。ビジネスインテリジェンス(BI)とビッグデータ分析は、ビジネス分析を構成する1つの要素です。BIの対象は、基本的な合算集計になります。たとえば、財務部門が四半期の収益を確認するために、すべての顧客の予約の合計を知りたい場合のものです。

また、オペレーショナルインテリジェンス(OI)は、リアルタイムで生成されるデータを利用して意思決定を支援するように設計されたビジネス分析システムの集合体です。

ビジネス分析の種類

ビジネス分析は、記述、診断、予測、処方という4つのカテゴリで構成されます。

  • 記述分析とは、過去に起こったことや現在起こっていることを知るためにデータを調べるプロセスです。
  • 診断分析は、データ検出、データマイニング、データのドリルダウンや関連付けなどの手法を特徴とし、高度なメソッドを活用して、何が起こったのか、なぜ起こったのかを突き止めます。
  • 予測分析は、将来の成果を予測することを目的として、起こりうる可能性に対処します。手法としては、予測、予測モデリング、回帰分析、パターンマッチング、多変量統計などが挙げられます。
  • 処方的分析は、物事を改善する方法を調べるものです。データを分析し、将来に向けて取るべき最善の行動を見つけ出します。手法には、レコメンデーションエンジン、複雑なイベント処理、グラフ分析、シミュレーションなどがあります。ニューラルネットワークや機械学習が組み込まれている場合もあります。
 A typical business analytics dashboard.

導入方法 

ビジネス分析を導入する方法

ビジネス分析を導入するには、戦略が必要です。ここでは、最初の目標設定から、データに基づく意思決定を重視する文化の発展まで、重要な8つのステップをご紹介します。

  1. 明確な目標を設定する:ビジネス分析が最も影響を与える領域と意思決定を特定します。たとえば、予想される最大の課題や、今後1~3年間で達成したい目標などです。さらに、主要業績評価指標(KPI)と、測定すべき最も重要なメトリクスは何か、必要なデータ管理技術は整っているか、などです。データ中心のビジネス目標にランクと優先順位を付け、低コストで大きなメリットが得られる機会を特定します。
  2. プロトタイプを構築する:予測分析技術を適用して、期待する答えを得たり改善を実現したりできることを確認します。プロトタイプは、分析プログラムのメリットを実証するのにも役立ちます。
  3. 関連データをマッピングする:特定の問題に対する答えを見つけるために、収集して分析する対象とすべきデータを特定します。
  4. ソフトウェアツールを選定する:入念な調査と議論を行ったうえで、分析したいデータセット、手に入れたいインサイト、そのツールを使用する関係者に基づいてツールを選択します。データサイエンティストに加えて、ビジネスユーザーにとっても操作しやすい分析ソフトウェアを選ぶ必要があります。
  5. 取り組みを支援する:適切な人材とインフラストラクチャを確実に配置します。
  6. アクセスを提供する:主な意思決定者が、実用的なインサイトに簡単にアクセスできるようにします。技術的な知識を持たないユーザーにも価値をもたらす有用なソフトウェアツールを選びます。
  7. キーパーソンを指名する:分析プログラムのメリットを組織全体に広めるリーダーを指名します。
  8. データ重視の文化を実現する:誰もが分析に参加でき、そこで貢献すれば認められるオープンな文化を作ります。

ビジネス分析の価値を最大限に引き出す方法

ビジネス分析を最大限に活用するためには、文化を変革する必要があるかもしれません。「分析を実行する」ためのツールを購入しただけでは、文化の面での障害が妨げとなる可能性があります。以下の手順で、ビジネス分析の取り組みを改善してください。

  • 意思決定プロセスに分析を組み込む:インサイトは、現実に活用してこそ意味があります。適切な意思決定者が適切なタイミングで、レポートやダッシュボードを利用できるようにします。
  • 分析のメリットを伝える:導入を拡大し支持を強化するために、重要な関係者にメリットを説明します。
  • 壁を打ち破る:分析を部門内に限定しないようにご注意ください。コラボレーションを促進するとともに、組織全体でインサイトを共有します。
  • データ重視の文化を作る:ダッシュボードと可視化を使用し、組織全体で分析と透明性を促進します。
  • 人材に重点を置く:導入したシステムやプロセスのサポートや展開が担えるスキルセットを持つ人材を採用して教育します。すべての新しいツールやプロセスに関するトレーニングと変更管理の取り組みも対象に入れます。

結論

デジタル世界には分析ツールが不可欠 

データ量がますます増え続けている状況でビジネス上の課題に取り組むためには、分析ツールが格好の手段となります。組織のデータや顧客データを活用して競争力を高めることで、より的確な意思決定が可能になり、進化を続ける環境にビジネスを適応させることができます。ビジネス分析は、カスタマーエクスペリエンスとサービス品質の向上から、マーケティングと販売活動の最適化に至るまでをカバーするものです。これこそが、競争がますます激しくなる環境の中で、組織が生き残って成長していくための手助けとなるのです。