導入事例

国立点火施設がSplunkを利用してクリーンエネルギーの 可能性を解き放ち、米国の核備蓄の安全を確保

概要

米国カリフォルニア州リバモアのローレンスリバモア国立研究所(LLNL)に ある国立点火施設(NIF)は、世界最大のレーザー核融合施設です。核備蓄 の管理や科学的な発見といったNIFのコアとなるミッションを果たすため に、科学者やエンジニアは、安全で信頼性の高いITインフラを必要として います。Splunk EnterpriseとSplunk IT Service Intelligence (ITSI)を導 入した結果、NIFは次のようなメリットを得られるようになりました。

  • システムのアップタイムとパフォーマンスを最大化
  • ITを監視してセキュリティの課題にプロアクティブに対応
  • 制御システムの信頼性向上、インフラとシステムの可用性向上と管理の 強化により、レーザー照射実験の回数を年間200回から400回に倍増
  • ITインフラと66,000個以上のIoTデバイスの健全性を確保
課題
    • データのセキュリティを確保し、核備蓄の安全と信頼性を維持する
    • 設備の可用性を向上させて、科学者がより多くの実験を行えるようにする
ビジネスへの影響
    • 予測監視により、問題が発生する前に異常を特定システムの効率を向上させ、科学者の設備利用時間を拡大
    • データに基づく意思決定を可能にして、核備蓄の安全性を確保
    • 科学研究における施設の競争優位性の維持に貢献
    • 科学者とエンジニアに優れたユーザーエクスペエンスを提供
データソース
    • ネットワークスイッチ
    • ファイアウォール
    • アプリケーション
    • 認証
    • Oracle/MySQLデータベース
    • サーバー
    • センサー

Splunkが選ばれた理由

NIFは3つのミッションに取り組んでいます。第1に、国家核安全保障局に よって設立されたNIFは、地下核実験を行わずに米国の核備蓄の安全と 信頼性を維持するための核備蓄管理計画において重要な役割を果たして います。第2に、さまざまな天体物理実験を行って、科学分野での米国の 競争優位性を維持しています。第3に、炭素ガスを排出しないクリーンな エネルギー源として期待される核融合点火の研究を進めています。

NIFでは、192本の巨大なレーザー光を照射して温度を1億度、圧力を 1,000億気圧にまで高め、熱核融合を発生させるための、巨大な設備が 稼働しています。世界唯一の施設に集まった屈指の科学者が、このレーザー 設備を使って、天体物理学、材料科学、原子力科学に関するレーザー照 射実験を行っています。

4年前、国家核安全保障局はNIFに対して、レーザー照射の回数を倍に増 やすことを要請しました。そこでチームは、すべてのミッションを達成しな がらリソースを共通化するためのテクノロジー、ベンダー、ベストプラクティ スの導入を推進しました。 

NIFでITマネージャー兼情報最高責任者を務めるMarvin Christensen氏 は次のように述べています。「チームがまずセキュリティツールとしてSplunk を使い始めたのです。Splunkでセキュリティデータを収集、統合することで、 NIF全体のセキュリティが向上しました」

ネットワークデータ、認証データ、ホストデータをSplunk Enterpriseに取り 込むことでセキュリティの課題を解決したチームは、他のデータソースも統 合して、アプリケーションデータを1つの画面に集約するなど、施設全体をリ アルタイムで可視化することに取り組みました。「アプリケーションを監視する ことで、計画外のダウンタイムやパフォーマンスの低下を防ぐことができれば、 科学者がNIFの設備を利用できる時間が増えます」(Christensen氏)

NIFでは、IT部門のネットワーク管理者、データベース 管理者、ストレージ管理者、システム管理者が、Splunk を活用して、機械やシステムの状態をプロアクティブに監 視し、問題を未然に防いでいます。また、開発者が自身 のアプリケーションを監視したり、オペレーターが設備 の状態を把握したりするためにもSplunkが利用されてい ます。「少人数のチームですが、非常に効率的です。私 たちはデータやアーキテクチャを最大限に活用できてい ると思います。ベンダーとの関係も良好で、NIFが満足 できる製品を提供してもらっています」(Christensen氏)

“Splunk ITSIのおかげで、非常に複雑な機械でも個々の コンポーネントレベルで状況を把握できるようになりました。 以前は、AIOpsアプローチの実装に多くのリソースを費や していましたが、今回初めて、ITユーザーのためにテクノ ロジーを簡素化し、それをインフラのユースケースに応用す ることができました ”



Philip Adams氏、ローレンスリバモア国立研究所NIF
CTO兼リードアーキテクト

複雑なシステムの可用性を向上

NIFの巨大なレーザー設備を支える66,000以上の制御ポイントは統合コンピューター制御システム(ICCS)によって管理されており、Splunkソリューションはその中核で機能しています。ICCS内では、Splunk Enterpriseと Splunk ITSIによって、アプリケーションデータ、運用データ、センサーデータ(レーザーの電圧、温度、圧力など) を含むさまざまなデータソースに基づいて研究室のエンジニアがイベントに対応できる仕組みが整備されています。また、Splunk Machine Learning Toolkitを活用して、ITに関する問題に対処したり、レーザー設備内の異常な動作を予測したりすることで、可用性が大幅に向上しました。

可動部の多いインフラで実験を行うことだけでも大きな 挑戦ですが、その中でNIFは年間400回の照射を目指しています。これを実現するには、科学者がNIFで実験を 行う機会を得たときに、すべてのシステムの稼働準備が 完了している必要があります。NIFで最高技術責任者兼リードアーキテクトを務めるPhilip Adams氏は次のように述べています。「私たちがここで行う実験の成果は1つだけ。それは科学者にデータを届けることです。科学者は、正確なデータが迅速に届くことを期待していますし、 NIFにとってデータは非常に重要なのです」

Splunkは、環境内の大量データを分析する能力と柔軟性を備えています。これにより、アプリケーションやサー バーのログをデータベースの情報を統合できるようになったことは、NIFチームにとって大きな収穫です。複数のデータソースを相関付けて一元化することはチームに とって欠かせない機能になり、これをきっかけにSplunk の導入が急速に拡大しました。また、Splunkダッシュボー ドによって既存のシステムを最大限に活用することで、 高価なカスタマイズを回避することもできました。

予測監視と予測分析

NIFは、レーザー設備のインフラとして不可欠なカメラ、温度計、モーターなど、幅広いセンサーの診断と分析にもSplunkを活 用 しています。Splunk ITSIとMachine Learning Toolkitによって、NIFのエンジニアがセンサーの性能低下を早期に検出し、予知保全を実施することで、計画外のダウンタイムを回避しています。

Adams氏は次のように述べています。「Splunk ITSIのお かげで、非常に複雑な機械でも個々のコンポーネントレベルで状況を把握できるようになりました。以前は、AIOpsアプローチの実装に多くのリソースを費やしていましたが、今回初めて、ITユーザーのためにテクノロジーを簡素化し、それをインフラのユースケースに応用することができました」