クラウドへの移行の基本:ビギナーガイド

IT Stephen Watts

クラウドへの移行とは、ITワークロード(データ、アプリケーション、セキュリティ、インフラなどのオブジェクト)をクラウド環境に移行することです。

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クラウドへの移行には、以下のようなさまざまな種類があります。

また、既存のアプリケーションをパブリッククラウドからオンプレミスのデータセンターに戻すリバースクラウド移行(別名:クラウドからの回帰、脱クラウド)と呼ばれる別の種類のクラウド移行もあります。

McKinsey社によると、ほとんどの企業が2024年までにITホスティングの80%をIaaS (Infrastructure as a Service)、PaaS (Platform as a Service)、SaaS (Software as a Service)などの何らかのクラウド環境に移行することを検討しています。

クラウドは、スピードや規模の面で大きなメリットをもたらしますが、課題もあります。この記事では、クラウド移行に関する基本的な情報、メリットと課題、ベストプラクティス、そしてクラウド移行を成功させるためのポイントについて解説します。

クラウドに移行する理由

数多くの組織がデータやアプリケーションをクラウドに移行することを決めたのには理由があります。実際、移行は特別なことではなく、ごく一般的なことになっています。ここでは、組織が移行を選択する主な理由と、そこから得られるメリットをいくつか紹介します。

クラウドへの移行がどのようなものなのかをより深く理解していただくため、以下のプレゼンテーションで、Atlassian社が1万人以上のユーザーをセルフホスティング製品からAtlassian Cloudプラットフォームにどのように移行したのか、そしてこの投資を正当化するビジネスケースについて説明します。

クラウドへの移行を加速

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、オンプレミスからクラウドへの移行が急務となりました。McKinsey社によると、およそ40%の企業が、感染の拡大中または拡大後にクラウドへの移行計画を加速させています。

クラウドへの移行計画

クラウド移行に関する5つの「R」

「5つのR」と呼ばれるように、組織がデータやアプリケーションをクラウドに移行するための一般的な方法は5つあります。ここでは、その方法をシンプルなものから順番に紹介します。

  1. リホスティング(Rehosting):「リフト&シフト」とも呼ばれるリホスティングは、ITワークロードをオンプレミスサーバーからクラウドベースのサーバーに導入しなおすことで、コードの変更を最小限に抑えるクラウド移行プロセスです。
  2. リファクタリング(Refactoring):リファクタリングは、移行に際してアプリケーションへの変更が必須ではない場合でも、クラウド環境に合わせて最適化するためにアプリケーションをわずかに変更する方法です。アプリケーションのコアアーキテクチャには変更を加えません。
  3. リプラットフォーム(Replatforming):リバイスとも呼ばれるリプラットフォームは、リファクタリングと同じく、基盤となるアプリケーションコードを変更してクラウドにホスティングできるようにしますが、変更はより大規模になります。
  4. リビルド(Rebuilding):リファクタリングとも呼ばれるリビルドは、その名が示すとおり、新しいクラウドネイティブのアプリケーションソースコードを使用して再設計を行います。
  5. リプレース(Replacing):再購入とも呼ばれるリプレースは、組織が独自に構築したアプリケーションを破棄し、クラウドプラットフォームでホストされているクラウドベンダー提供のサードパーティSaaSアプリケーションに乗り換えるという根本的な変更です。このシナリオで実際に行われるのはデータの移行だけです。

クラウド移行に関する5つのR

Oracle社など、一部の業界リーダーは6番目の「R」として「リタイア(Retiring)」と呼ばれる方法を提唱しています。ビジネスニーズとテクノロジー環境全体を評価した結果、一部のオンプレミスアプリケーションでは、移行するより廃止する方が得策となる場合があります。

クラウド移行の例とユースケース

クラウド移行の方法には多くの類似点がありますが、独自の特徴もあります。組織がクラウドへの移行を目指す理由を理解するために、一般的なユースケースをいくつか紹介しましょう。

オンプレミス移行とクラウド移行の比較

先ほど、クラウド移行の「5つのR」を紹介しましたが、オンプレミスの移行ではサーバー間でデータとアプリケーションを移行します。同じ環境内で移行を行う場合、クラウド移行のプロセスも同じようになります。

オンプレミス移行の1つに、アプリケーションをある物理サーバーから別の物理サーバーへと移動するサーバー間移行という形式があります。この形式での移行は、アプリケーションを新しいサーバーに再インストールし、それに伴って移動が必要になったデータファイルをコピーする作業と基本的に同じです。

オンプレミス移行では、物理サーバーから仮想マシン(VM)に移行することもあります。VMとは、物理コンピューターの機能をエミュレートするソフトウェアアプリケーションのことです。VM環境は、テスト目的でセットアップされることも少なくありません。物理サーバーから仮想マシンに移行するアプリケーションは、移行前にインストールやセットアップを実行できます。

仮想マシン間の移行は、オンプレミスでもクラウドでも一般的です。この場合、ハイパーバイザー(コンピューター上で1つ以上の仮想マシンを実行して管理するプログラム)を使用してライブマイグレーションを実行できるため、稼働中のVMを停止することなく、あるサーバーから別のサーバーに移行できます。

クラウド移行の一般的な課題

他の大規模な技術変更と同じように、クラウド移行にも課題があります。ただし、適切な計画を立ててサービスプロバイダーと協力することで、これらの課題の大部分を軽減できます。

移行の戦略

クラウド移行戦略の策定は、他の重要な技術戦略を策定する場合とほとんど変わりません。重要なポイントは、ビジネスのニーズと目標を理解したうえで、それを達成するための各ステップを計画することです。

クラウド移行ツール

クラウドへの移行では、ほとんどの場合、アマゾン ウェブ サービス (AWS)、Google Cloud、Microsoft Azureなどの大手クラウドプロバイダーのいずれかを利用することになります。これらのベンダーはそれぞれ、クラウド移行を支援するツールやサービスを提供しています。一般的な移行サービスは以下のとおりです。

クラウド移行のベストプラクティス

綿密に設計した移行計画に加え、移行の成功に役立つベストプラクティスを活用しましょう。その一部を紹介します。

これらのベストプラクティスに加えて、ガートナー社の「IT Roadmap for Cloud Migration (クラウド移行のITロードマップ)」では、以下の5つの主要な段階に沿ってクラウド移行を進めるよう提案しています。

1. 目標の調整

2. アクションプランの策定

3. 実行に向けた準備

4. ガバナンスの確立とリスクの軽減

5. 最適化と拡張

移行を開始する方法

クラウドへの移行を始めるプロセスは、組織内の他の重要な技術的取り組みを始めるプロセスと変わりません。戦略と計画を立て、誰がいつまでに何をするのかを把握しておく必要があります。その他にも、規制要件など、組織が従わなければならない考慮事項があるはずです。この記事では、完全なクラウド移行計画を示すことはできませんが、考慮すべき重要なステップをいくつか紹介します。

  1. 移行するワークロード(データまたはアプリケーション)を選択します。
  2. 移行が必要なデータの量を判断します。
  3. 使われていないレガシーアプリケーションや古くなったデータを移行しないようにします。
  4. ワークロード間のすべての依存関係を確認します。つまり、運用の継続に必要なすべてのものが移行対象になっていることを確認します。
  5. どのワークロードをオンプレミスに残すかを決めます。特定のビジネスクリティカルなアプリケーションや、低遅延が求められるアプリケーションをデータセンターに残すという選択肢もあります。また、地理的な制約やその他の規制上の制約によって、オンプレミスに残すべきワークロードが決まる場合もあります。
  6. たとえば、クラウドへのデータ移行方法のセクションで紹介した「5つのR」など、上記のすべての要素を考慮して、最も適切な移行の種類を決定します。
  7. 本番環境に移行する前に、移行対象のワークロードが正しく機能することを確認するためのテスト計画を作成します。

結論:クラウド移行には綿密な計画が必要だが、通常は大きなメリットが得られる

クラウドは、現代のコンピューティング環境とそれに伴うデジタルトランスフォーメーションの取り組みにおいて欠かせない存在です。その価値を実現したいと考えている多くの組織にとって、クラウドへの移行(および広範なクラウド戦略)は必須となるでしょう。組織は、潜在的な課題や問題を心配して、移行を先延ばしにすることがあります。確かに移行のプロセスで問題が発生することもありますが、それはあらゆる技術的変化について言えることであり、クラウド移行計画の推進を妨げるものではありません。何を達成したいのか、その目標への道筋は正しいのか(あるいは間違っているのか)を明確に理解し、適切なリソースと支援を確保すれば、クラウドへの移行を成功させることができると確信できます。

このブログはこちらの英語ブログの翻訳です。

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