カオスなデータを明快な情報へ:Splunk Data Management完全ガイド
Platform Kimberly Kung主なポイント
- データが急速に増加するなか、組織にはいっそうスマートなデータ管理が求められます。それによって、どのデータを保管、保護、使用するかを判断し、データを実際の価値につなげる必要があります。
- 複数のシステムから効率的にデータを収集し、フィルタリングして、整理し、保管することで、Splunkは分散したデータから有益なインサイトを引き出す支援をします。
- Cisco Data FabricなどのツールやAIを活用した自動化により、企業は自社データをすべて連携させ、コストを削減しながら、意思決定をより迅速に、十分な情報に基づいて下せるようになります。
マシンデータは、多くの企業の管理、最適化、活用の能力を上回るスピードで増加しています。そのデータ量は2028年までに394ゼタバイトに達する見込みです。これは、今日のデータ管理に立ちふさがる現実的な課題といえます。データは集めれば終わりではありません。重要なのは、収集するデータを判断し、収集したデータの処理場所、管理の方法、保管期間とともに、セキュリティ、オブザーバビリティ、業務、AIへの活用方法を決定することです。
だからこそ、成熟したデータ管理が重要になります。
データ管理に成熟した組織は、より多くのデータを取り込むだけにとどまらず、信頼性が高く、コスト効率に優れ、AI活用に適したデータ基盤を構築します。また、コストが発生する前にノイズを低減するとともに、機密情報の拡散を防ぎます。さらに、適切なデータを適切な行き先に振り分けながら、チームが脅威の検知やインシデントの解決、より適切な意思決定に必要とするコンテキストにアクセスしやすい体制を整えます。
これこそSplunk Data Managementがひときわ貢献するところです。Splunk Data Managementは、インテリジェントなデータパイプラインとして、カオスなマシンデータを明快な情報に変える支援をします。
エンドツーエンドのプロセス:生データから戦略的インテリジェンスへ
データ管理戦略をエンドツーエンドで実行するには、クラウドからオンプレミス、ハイブリッド、エッジ環境までを網羅し、マシンデータのライフサイクル全体に対応する必要があります。このプロセスは実際には、次のように進められます。
収集:あらゆる場所からデータを取り込む
データ管理のプロセスは、常に「取得」から始まります。適切なソースから、適切なデータを、適切なプラットフォームに、信頼性を確保しながら大規模に取り込む必要があります。Splunkで最も一般的な取り込み方法を以下にご紹介します。
フォワーダー:ユニバーサルフォワーダーは軽量かつデータ収集の主力となるエージェントです。軽量で信頼性が高く、グローバル企業の数万にのぼるエンドポイントで実装されており、ファイル、ディレクトリ、Windowsイベントログ、syslogなどからデータを収集し、Splunk環境へ安全に転送します。また、ソースの時点で事前処理や振り分けロジックが必要なユースケースでは、ヘビーフォワーダーを使用すれば、データが自社のネットワークから外に出る前に、SPLベースで完全なパース処理やフィルタリングを実行できます。
エージェント管理:フォワーダーの実装は大切ですが、1つのグローバル企業全体で何千にも及ぶフォワーダーを管理することは、また別の問題です。Splunkのエージェント管理とデプロイメントサーバーでは、フォワーダーを役割、地域、ビジネス部門ごとにグループ分けしたり、構成、アプリ、TAを一元的に展開したり、インストール済みの構成やエージェントの健全性を、組織全体にわたって監視したりできます。
これが重要である理由は、一元化された管理方法がなければ構成ドリフトが生じ、一貫性のないパーシング、データソースの欠落、下流でのデータ品質低下といった問題が発生するためです。エージェント管理は、フォワーダーの足並みを揃え、データ収集レイヤーの信頼性を保つのに役立ちます。
データマネージャー:クラウドネイティブのソースの場合は、データマネージャーによってアマゾン ウェブ サービス(AWS)、Azure、Google Cloudからのオンボーディングを簡素化します。データマネージャーはHECを通じて取り込み設定を自動化し、CloudTrail、Azureアクティビティログ、GCP監査ログなど、さまざまなサービスからのデータ取り込みを高速化します。
HTTPイベントコレクター(HEC):HTTP/HTTPS経由でデータを直接送信するための、パフォーマンスにすぐれたトークンベースのエンドポイントとなります。アプリケーション開発者、CI/CDパイプライン、IoTデバイスのほか、HTTP呼び出しを実行できるすべてのソースに最適です。
Splunk StreamとDB Connect:Splunk Streamがリアルタイムのネットワークデータをキャプチャしてインデックスする一方、DB ConnectはSplunkとSQLデータベースの間をつなぎ、データの双方向フローを実現し、一段と高度な分析を可能にします。
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処理:インデックスされる前に、インテリジェントに変換する
スマートなデータ管理は、保管前の時点から始まります。Splunkの処理レイヤーは、これをさまざまな方法で支援します。たとえば、コストの最適化、ノイズのフィルタリング、冗長なログの効率的な形式への変換、クレジットカード番号やPIIなどの機密項目のマスキング、重要なシグナルの強化などのほか、インデックスされる前にデータを適切な送信先に振り分けるのにも役立ちます。
その結果、取り込みコストを削減できるとともに、パフォーマンスを向上させ、データコンプライアンスも強化できます。
Edge Processor(EP):Splunk Cloud PlatformとSplunk Enterpriseのいずれでも利用できます。ネットワークのエッジでSPL2ベースのパイプラインを構築、管理し、ノイズの多い低価値のイベントが帯域幅を消費する前に除外します。このデータ管理コンソールでパイプラインを一元的に構築、デプロイ、監視でき、チームは移動中のデータを可視化して制御できるようになります。
これが重要な理由:Edge Processorを使用しているお客様は、分析価値を損なうことなく、取り込み量を30~50%、安定して削減できています。これはインフラのコストの削減や、サーチのパフォーマンスの向上に直結します。
Ingest Processor:クラウドベースの選択肢であり、処理モデルは同じですが、データがSplunk Cloud Platformに届いたあと、インデックスされる前に処理を実行します。導入環境を管理することなく、クラウド内でデータのフィルタリング、マスキング、強化、振り分けを処理したいチームに最適です。
保管:適切なコストで、適切なデータを、適切な場所へ
処理されたデータは、保管場所へ送る必要があります。とはいえデータの価値はそれぞれ異なり、保管するためのコストもすべて同じではありません。成熟した組織は、自社のデータ戦略をアクセスのパターンや保持の目的、コストに基づいて階層化しています。
Splunkインデックス:迅速でインタラクティブなサーチを必要とする業務データには、Splunkインデックスが引き続き最良の選択です。脅威の調査やインシデント対応などのユースケースでは、これによってリアルタイムのパフォーマンスを実現できます。
Promote:Amazon S3にある過去のデータを、恒常的にインデックスすることなく調査したい場合は、Promoteを使い、S3データをSplunk Cloud Platformにオンデマンドで取り込むことで、必要なものを必要な場合にのみインデックスできます。
統合サーチ — アルファ版:データを一切動かさないことが最善の方法である場合もあります。統合サーチでは、データを一元化するコストをかけることなく、Amazon S3にあるデータを直接サーチできます。ストレージコストを予測可能な範囲にとどめながら、大規模にデータを相関付けたり、複数のプラットフォームを横断して分析を行ったりできます。
Machine Data Lake — アルファ版:Dynamic Data Active Archive(DDAA)およびDynamic Data Self-Storage(DDSS)とともに、Machine Data Lake(アルファ版)は、安全かつ低負荷で、マシンデータの取り込み、強化、活用のための枠組みを提供し、運用のインサイトの導出や、次世代のエンタープライズAIを実現します。
監視と最適化:パイプラインの健全性を保つ
すでにデータ収集の階層を構築し、インテリジェントな処理方法を実装し、ストレージを階層化したとしても、それらがすべて正常に稼働するかどうかが問題です。データパイプラインは生きたシステムであり、ソースの変化やデータ量の急増、構成ドリフトなどがつきものです。
取り込み状況の監視:Splunk Cloudのモニターコンソールに直接組み込まれた、すぐに使えるダッシュボードで、取り込み状況全体の健全性やパフォーマンスを管理者がリアルタイムで可視化できます。カスタムダッシュボードやサードパーティのアプリは不要です。
ダッシュボードでは、あらゆるデータソース全体で、イベントの数、量、レイテンシーを追跡できます。また、インデックス、ホスト、ソースタイプ、またはこれらを組み合わせて、メトリクスを細部まで分析し、詳細に可視化できます。さらに、進行中の取り込みパターンを過去の基準値と比較し、急増、低下、異常な動きなどを即座に特定できます。取り込み量が突然変化したことに気づいた場合は、「調査」をクリックして、前回のイベント時刻やインデックス時刻などのメトリクスを掘り下げ、特定のホストまで秒単位で絞り込むことができます。
監視から自己修復型オブザーバビリティの実現までが最初のステップです。次のステップは、対応の自動化です。Splunkのデータ管理機能の進化の過程で、明確なビジョンは、「パイプラインはアラートを発信して問題を知らせるだけでなく、能動的に問題を解決する」というものです。たとえば設定ミスが原因で、パーシングエラーを生み出しているソースタイプを検知した場合は、自動修正のフラグを立てたり、データ量が急増して所定のコストを超えそうな事態を検知した場合は、臨機応変に振り分け先を調整し、コストが低い保管先に変更したりします。こうした自己修復型パイプラインモデルでは、監視結果がインテリジェントな自動化アクションに直接反映されます。これこそSplunkのデータ管理が目指す方向性の中核であり、AIを活用した各種機能を通じてすでに実現しつつあります。その機能をこれからご説明しましょう。
Cisco Data Fabric:全体像
データの収集、処理、保管、管理など、以上で説明してきた事柄はすべて、Cisco Data Fabricアーキテクチャの下に集約されます。
Cisco Data Fabricは、1つの製品ではありません。統合的なアーキテクチャであり、Splunkのデータ管理、Ciscoのネットワークインフラ、外部のデータレイク、ウェアハウス、AIプラットフォームを結びつける基盤となります。その設計では、マシンデータを企業規模で管理、連携、活用するという現代の要請に応えることを目的としています。
その実際のメリットを挙げてみましょう。
- 次世代型フェデレーションによる一元的な分析:SplunkとS3だけでなく、将来的にはさらに多くのデータレイクを含めた全体で、データを1カ所に移動させることなく相関付けます。
- AIファーストのエクスペリエンス:ビルトイン型のAIモデル、エージェントからデータへの安全な接続を確保するSplunk MCPサーバー、さらにフィールド抽出の自動化(限定提供)や自動スキーマ化を使ったガイド付きオンボーディング(アルファ版)といった、AIを活用した各種データ管理機能によって、数週間分の手作業を数分にまで短縮できます。
- 運用効率:データ取り込み状況の監視とインテリジェントな自動化によって、管理者の負担を減らし、問題がインシデントに発展する前に検知して、価値実現までの時間を短縮します。
- マシンデータの活用:Machine Data Lakeは、生のテレメトリデータを、AIモデルの有効性や精度を高める詳細な背景情報で強化し、LLMの微調整や自律型エージェントで使用できる、信頼性の高いインプットに変換します。
Cisco Data Fabricは、エージェンティックAIの時代に羽ばたくための土台となります。これによりSplunkは、検索と分析のためのプラットフォームから、マシンデータ資産全体を網羅するインテリジェントなデータファブリックへと進化を遂げます。
結論
データ管理とは、単にチェックボックスにチェックを入れるだけの作業ではありません。データ管理という基盤次第で、セキュリティ運用による脅威検知、オブザーバビリティプラットフォームによる根本原因の特定、AIエージェントによる高精度で信頼できる結果の提供などの成否が左右されます。
Splunkは20年近くにわたってこの基盤の構築を続けており、その製品ポートフォリオはかつてないほど包括的なものとなりました。組織規模で管理されるユニバーサルフォワーダーから、エージェンティックAIを強化するMachine Data Lakeまで、さらにEdge Processorによるソース時点でのフィルタリングから、AIを活用して数週間の作業を数分に短縮する自動スキーマ化まで、これこそが全プロセスを網羅するインテリジェントなデータパイプラインといえます。
Cisco Data Fabricがこれらすべてを結びつけることで、マシンデータは単に管理されるだけでなく、有効に活用されることになるのです。
貴社のデータが秘めている可能性を確かめたい方は、Splunk Data Managementに関するドキュメント全文をご覧ください。またCisco Data Fabricの詳細もご確認いただけます。
Cisco Data Fabricの解説動画もご覧ください。
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