マシンデータ戦略とAI戦略を切り離せない理由
Artificial Intelligence JK Lialias主なポイント
- AI戦略を成功させるには、強力なマシンデータ戦略が不可欠です。信頼できるインサイト抽出と自動化を支えるのは、正確で簡単にアクセスでき、適切に管理されたデータです。
- AIの価値を最大限に引き出すには、AI戦略をビジネス目標に直接結び付けることが重要です。適切なモデル、AIネイティブツール、自動化を導入して、マシンデータを迅速な意思決定と成果につなげます。
- データ戦略とAI戦略を一体的に進めていく必要があります。Cisco Data FabricやSplunkなどのプラットフォームを活用すれば、マシンデータを簡単に分析し、AIの適用範囲をすばやく拡張し、インサイトをアクションに変えることができます。
AIは組織の運営方法に変革をもたらす可能性を秘めています。しかし、そこには落とし穴があります。それは、AIの能力は、AIが利用できるデータの品質に左右されるということです。今日、多くのITチームやセキュリティチームがデータ戦略とAI戦略を別々の取り組みとして扱っていますが、この姿勢は2つの戦略を分断し、AIの可能性を制限してしまうことになります。本来、マシンデータ戦略とAI戦略は切り離せないものなのです。
AIを導入して高い成果を達成している組織は、単にAIを既存のシステムに後付けしているのではありません。最初から、データ、特に、ITインフラ、アプリケーション、セキュリティシステムのマシンデータをAIイノベーションの基盤として扱うための統合的なアプローチを構築しています。こうして、適切なデータインフラを整備することにより、AI戦略を実験段階から大規模な運用段階へと移行させ、データからインテリジェンスを引き出して、真のビジネス成果を実現しているのです。
強力なデータ戦略に必要な要素
強力なデータ戦略を構築するために検討すべきは、データの保存方法や処理方法にとどまりません。特にマシンデータが急増し続ける中で、データエコシステム全体で品質、アクセス性、ガバナンスに対処するための、包括的なアプローチを打ち立てる必要があります。
- データの品質、一貫性、リアルタイム性:データを正確かつ完全に保ち、標準化する必要があります。データ形式がばらばらであったり記録が不完全であったりすると、ノイズが生じてAIモデルのパフォーマンスが下がり、抽出されるインサイトの信頼性が低下します。特にマシンデータには、さまざまな形式のログ、メトリクス、イベントが含まれることが一般的であるため、この点が非常に重要です。また、データにリアルタイム、またはほぼリアルタイムでアクセスできるようにする必要もあります。これにより、タイムリーな意思決定が可能になり、AIアプリケーションが状況の変化に即座に適応できるようになります。インフラやアプリケーションからストリーミングされるマシンデータの分析では特に、このような即応性が求められます。
- すべてのデータへの容易なアクセス:データの保存場所に関係なく、すべてのデータを包括的に可視化します。エッジインテリジェンスを活用して、重要なデータのみをソースで収集すれば、全体のデータ量を減らして、コストを抑え、複雑さを軽減できます。また、データが分散していても、統合サーチを活用すれば、データを移動せずに元の場所に置いたまま分析することで、より低コストですばやくインサイトを獲得できます。
- AIイノベーションでのマシンデータの活用:マシンデータの価値を引き出すデータ戦略を構築すれば、エージェント型組織の実現に大きく近づきます。組織独自のマシンデータを使ってモデルを作成することで、AIイノベーションを強化できます。これにより、問題を予測して事態の深刻化を防ぎ、定型業務を自動化し、的確な意思決定に必要なビジネスコンテキストを提供するエージェンティックAIを開発するための基盤を構築できます。
- 拡張性、柔軟性、オープン性:データ量とソース数の増加に合わせて、インフラをシームレスに拡張できるようにします。特にマシンデータが急増する今日、アーキテクチャを全面的に見直すことなくビジネスニーズの進化に適応できる柔軟なデータ戦略は必須です。また、イノベーションを促進するために、幅広いエコシステムに対応できるオープン性も求められます。
- セキュリティとガバナンス:適切なアクセス制御、データ生成から利用までの追跡、コンプライアンス対策によって機密情報を保護します。常に、承認された適切なデータでAIモデルをトレーニングすることも重要です。
強力なAI戦略に必要な要素
AI戦略を効果的に進めるには、テクノロジーの能力をビジネス目標と合致させることが大切です。そのためには、単にモデルを導入するだけでなく、実装から、運用、継続的改善まで、マシンデータの潜在力を最大限に引き出すアプローチを慎重に設計する必要があります。
- 明確なユースケースとビジネス価値:まずは、AIで解決したい具体的な問題を設定します。MTTR (平均対応時間)の短縮、セキュリティ脅威の検出、インフラのパフォーマンス最適化など、AIイニシアチブを測定可能なビジネス成果に直接結び付けて、マシンデータの価値を引き出すことが重要です。
- AIネイティブのインフラ:専用モデル、AIツールキット、統合されたアシスタントなど、目的に特化したAI機能は、開発と導入のスピードアップに役立ちます。これらのネイティブ機能を利用すれば、AIアプリケーションをゼロから構築する手間を省くことができます。また、大量のマシンデータを処理するために最適化されているのもネイティブ機能の特徴です。
- モデルの多様性と専門性:解決したい問題によって、必要なアプローチは異なります。そのため、強力なAI戦略を推進するには、さまざまなタイプのモデルを取り入れる必要があります。たとえば、幅広いタスクに対応する基盤モデル、時系列のマシンデータの分析に特化した時系列モデル、独自のデータパターンでトレーニングしたドメイン特化型モデルなどが考えられます。
- エージェンティックAIと自動化:エージェンティックAIは、単に予測を提供するだけでなく、インサイトに基づいて自律的にアクションを実行します。AgenticOps (エージェント型運用)を実現すれば、AIエージェントに、問題の検出から、根本原因の診断、さらには問題の修復までを、リアルタイムのマシンデータに基づいて人間の介入なしで実行させることができます。
- 継続的な学習と適応:AIモデルはデータとともに進化する必要があります。フィードバックループを構築すれば、AIモデルは、結果から学習し、精度を継続的に高めながら、マシンのデータストリームに反映されるビジネス状況の変化に適応していくことができます。
AI導入によるデータ管理方法の変化
AIはデータの処理だけでなく、データの管理方法にも変革をもたらしています。今日、AIとデータ管理は相互依存的な関係にあります。データ運用方法がAIによって改善されると同時に、AIはそこから得られる質の高い入力データに依存しています。処理するマシンデータが大規模かつ複雑である場合は、このことが特に重要な意味を持ちます。『データ管理の新たなルール』レポートでは、回答者の82%が、組織的なデータ戦略の整備がAIや機械学習モデルの精度向上に直接つながったと回答しています。
- インテリジェントなデータ検出:AIを活用したツールによって、分散するすべてのシステムを横断してデータが自動的にカタログ化および分類されます。さらに、データセット間の関係が分析され、特定のユースケースに適したマシンデータソースが提案され、人間が手作業で調査すれば発見までに数週間かかるようなインサイトが即座に抽出されます。
- 自動化されたデータ品質保証:機械学習モデルによって、リアルタイムで異常が検出され、データ品質の問題が特定され、データの不整合が指摘されます。この自動化された品質保証により、手作業で大規模な検証を行うことなく、常にクリーンで信頼性の高いマシンデータでAIモデルをトレーニングできます。
- 予測的なデータ管理:AIによって、ストレージのニーズやシステムのボトルネックが予測され、インフラ全体でデータ配置が最適化されます。これらの予測機能により、ユーザーが問題に気づく前にパフォーマンスの低下に対処したり、マシンデータのパターンを分析して今後のインフラ要件を判断したりできます。
- 自然言語によるインターフェイス:生成AIによって、ユーザーは、専用のクエリー言語の代わりに自然言語を使って、複雑なデータセットを検索できます。データサイエンティストやビジネスアナリストは、対話形式でマシンデータに問い合わせを行うことができ、組織全体でデータ活用を民主化できます。
- コンテキストを認識したデータ処理:AIは、データの構造だけでなく、コンテキストや意味も理解します。これにより、マシンデータの高度な分析、関連情報のより正確な検索、ビジネスコンテキストを考慮したインサイトの自動生成が可能になります。
AIとマシンデータの能力を統合する方法
AI戦略とデータ戦略を統合するには、両者を別々に扱うのではなく相互に関連付けるインフラが必要です。これにより、大規模でありながらコスト効率の高いデータパイプライン管理を実現して、ビジネス要件に基づいて適切な場所にデータを保存できます。
この統合アプローチを実現するのがCisco Data Fabricです。Cisco Data Fabricは、マシンデータをAI対応のインテリジェンスに変換することを目的に設計されています。
- マシンデータの価値を最大化:エッジにインテリジェンスを取り入れましょう。AIを活用したデータ管理機能をデータライフサイクル全体に導入して、手作業を削減し、自動化を促進し、インサイト獲得とアクション実行を迅速化できます。
- 基盤となる統合アーキテクチャを構築:統合サーチ機能により、複数のソースを横断してマシンデータを検索できます。データを移動する必要はありません。このアプローチにより、遅延を減らし、ストレージコストを最小化し、AIモデルが常に最新のデータを利用できる状態を維持できます。Splunkプラットフォームの統合サーチがあれば、バラバラに存在している多様なマシンデータソースをつなぎ合わせて、単一のレイヤー上で分析することができます。こうしたデータの統合ができないソリューションでは、コストが急増する恐れがあります。
- AIネイティブ機能を活用:AIが後付けではなく最初から内蔵されたプラットフォームを基盤として利用しましょう。Splunkプラットフォームでは、AI Toolkit、シスコの基盤モデル、Cisco Time Series Modelなど、マシンデータの処理用に設計されたAIネイティブ機能が提供されます。これらの専用ツールを活用することで、AI開発を加速させ、高度な専門知識がなくてもモデルを実装できるようになります。
- 専用AIアシスタントを導入:ワークフローにAIアシスタントを直接組み込むことで、業務を効率化できます。たとえば、AI Assistant for SPL (サーチ処理言語)では、複雑なクエリーを自然言語で簡単に作成できるため、専門知識がなくても強力なマシンデータ分析を実行できます。
- AgenticOpsを実現:自律的にアクションを実行するエージェンティックAIを導入して、リアクティブな運用からプロアクティブな運用に転換できます。AgenticOpsでは、マシンデータの異常検出、根本原因の調査、問題の修復が自動で実行されます。これにより、MTTRを短縮して、より戦略的なイニシアチブにチームの力を集中できるようになります。
- ホスト型のマネージドモデルを選択:Splunkのホスト型モデルを利用すれば、インフラ管理の負担をなくすとともに、エンタープライズレベルのパフォーマンスとセキュリティを維持できます。マネージドサービスなら、モデルの運用や保守に時間を取られることなく、マシンデータからビジネス価値を引き出すことに専念できます。
- 継続的なフィードバックループを確立:AIの出力をデータ戦略に反映させることができます。モデルの予測機能を活用することで、実際の使用パターンに基づいて、マシンデータの収集の優先順位を見直し、データ品質ルールを改良し、ストレージ戦略を最適化できます。
SplunkでAI戦略とデータ戦略をレベルアップ
データ戦略とAI戦略は、組織のリソースと経営陣の関心を奪い合う別々の取り組みではありません。2つは表裏一体の関係にあります。この関係を認識して、統合的なインフラを構築した組織こそが、競争優位性を獲得します。統合的なインフラがあれば、テクノロジースタック全体で生成された豊富なマシンデータを活用して、インサイトをすばやく獲得し、今後の展開をより正確に予測し、AIを組織レベルで展開できます。
問題は、データに投資するかAIに投資するかではありません。戦略的にどのように両方に投資するかです。適切な基盤を整備すれば、マシンデータはAIイノベーションを推進する原動力となります。それと同時に、AI機能はそのマシンデータの管理、アクセス、価値創出の方法に変革をもたらします。
Splunkプラットフォームは、AIを大規模に運用するために必要な統合基盤を提供します。広範なデータ基盤であるCisco Data Fabricの一部としてSplunkを利用することにより、組織レベルでマシンデータを実用的なインテリジェンスに変換するための、AIに対応したインフラを実現できます。
AI戦略とデータ戦略を統合して真のビジネス成果を引き出す方法について詳しくは、Splunk AI機能の詳細または『データ管理の新たなルール』レポートをご覧ください。Splunkの統合サーチ、AIアシスタント、AgenticOps機能を実際に試してみたい場合は、Splunkプラットフォームの無料トライアル版をお申込みください。Splunkのガイド付き製品ツアーハブで、Splunk AI機能のデモをご覧いただくこともできます。
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