Tokenomicsによるコーディングエージェントの使用状況、支出、活用状況の把握
Observability Dayna LordAIコーディングエージェントはコストが高く、請求額も高騰しています。エージェンティックワークロードでは複数のエージェントが起動することがあり、使用パターンが予測不能で、人間とAIが1対1でやり取りする場合とは大きく異なり使用パターンが予測不能です。そのため、請求書を見ても、コストの詳細を可視化し、帰属を明確にするのは困難です。そして、この事実に気づき始めた組織の前に、新たな事実が浮上します。それは、AIへの支出が必ずしもROIに直結するとは限らないということです。
クラウドの登場以来、ITチームがこれほど不可欠なサービスで、これほど予測困難なコストへの対応を迫られたことはありませんでした。桁外れのコスト超過が発生したケースもあります。
エージェントの利用拡大と生産性向上を目指す中で、一部のリーダーは、トークン消費が多いほど生産性が高いとみなす「トークンマクシング(tokenmaxxing)」の考え方を推奨しています。しかし実際には、AIを多用したからと言ってビジネス効果やROIが上がるとは限りません。一方、多くのリーダーは、支出を抑えるために、生産性を発揮できる水準をかなり下回るレベルまで全般的なトークン消費を制限しています。
可視化が不十分だと、発生したコストがどのエージェント、ワークフロー、モデル、またはユーザーに帰属するかを正確に把握できません。つまり、トークン消費がビジネス価値やビジネス効果の向上につながっているかどうかを判断するのが困難です。その結果、財務面での安全性を重視する組織は、高い成果を上げているチームや個人に対しても一律で支出を制限するという対応をとらざるを得なくなります。こうした制限では、実際の使用状況、ビジネス価値、ROIが考慮されていないことが多いです。
そこでSplunkは、大規模運用においてAI支出によるROIを根拠に基づいて明確に示せるよう支援するため、Agent ObservabilityのTokenomicsをリリースします。Tokenomicsは、財務リーダーやエンジニアリングリーダー向けに、コーディングエージェントの使用状況やコストを生産性メトリクスとともに包括的に可視化します。これらの情報を1つの画面で表示することにより、マネージャーは、必要な領域に適切に予算を割り当てたり、請求書が届く前にコストの膨張を防いだりするために必要なインサイトを獲得できます。
また、正確な予測によって、厳しい使用制限の必要性が減るとともに、予期しない請求を防ぐことができます。Agent Observabilityにすべての支出データを集約すれば、コストを品質や効果に関するデータと相関付けて、あらゆるレベルでROIを測定できます。
これにより、組織全体で、AI支出が何に使われているかを把握するだけでなく、支出が誰または何によって発生し、その使用が効率的であるかどうかも理解できるようになります。このレベルで可視化すれば、無駄が拡大する前にトークン消費を最適化し、AI投資がコストに見合うだけの価値をもたらしているかどうかを判断できます。
今月後半には、この機能がオンプレミス、Observability Cloud、Cisco Cloud Controlで提供されます。主要な統合対象には、Claude Code、Codex、Cursor、Windsurf、GitHub Copilotが含まれます。
エージェントの使用状況とコストを一元的に把握
AIの利用拡大が、単一のツールやプロバイダー、1つのチームだけで進むことはほとんどありません。コーディングエージェントの利用が拡大するにつれて、プロバイダーごとにコンソールが分散していたり、請求書が遅れて届いたりすることで、誰が何を利用し、各コストが誰に帰属するかを把握するのが難しくなりがちです。
Tokenomicsにより、エージェントの使用状況、コスト、活用状況に関するインサイトが統合されるため、アクティブユーザー、チーム、モデル、プロバイダー、ツールを横断してトークン消費を追跡できるようになります。財務部門や経営幹部向けの表示では、各ステークホルダーが、同じ基本データからそれぞれに最適な視点でインサイトを探ることができます。また、組織階層に基づいてチーム単位で情報を可視化することもできます。
増え続けるAPIポータル、LLMゲートウェイ、ERP、HRMシステムのデータを、内製のデータパイプラインやスプレッドシートを使って関連付けなくても、可視化して共有し、帰属を明確に把握できます。これにより、個々の断片的な消費データを組織全体のアカウンタビリティにつなげ、予期しない支出の変化が大きな問題に発展する前に調査できるようになります。
請求書が届く前にトークン消費を最適化
可視化によって、何が起きたのかを知ることができます。しかし、AIコストを効果的に管理するには、今後何が起こりそうかを理解することも必要です。
Tokenomicsを利用すれば、過去と現在の消費パターンの調査、予算の設定、通常と異なる使用の特定が可能になります。今後は、消費の予測にも対応する予定です。このフィードバックループにより、AIの請求額を見てから事後的に対応するのではなく、まだ対応可能なうちに先回りして使用状況を管理できるようになります。
予算管理:Tokenomicsでは近日中に、特定の期間やチームごとに予算としきい値を設定できるようになり、AI支出をより厳密に管理できるようになります。アノマリ検出アラートにより、予算超過を招く可能性のある想定外または予測外の使用にフラグを立てて、コストが膨張する前に対策を講じることができます。こうしたインサイトを活用すれば、エージェントの活用が拡大する中でも、アカウンタビリティを強化し、予期せぬ支出を削減して、AIコストの予測可能性を高めることができます。
予測:Agent ObservabilityのTokenomicsでは、近いうちに基盤モデルとしてCisco Deep Time Series Model (CDTSM)を利用する予定です。CDTSMは、消費パターンを予測し、すぐに使える「ゼロショット」予測機能を提供するために構築された基盤モデルです。これにより、請求期間の終了前に、すべてのチーム、プロジェクト、プロバイダーの消費を予測できます。CDTSMでは、最初に過去数週間分のトレーニングデータを用意しなくても、特定のチームやプロジェクトについて正確な予測を生成できます。CDTSMは、社内ベンチマーク評価で、業界の主要な時系列予測モデルを上回る精度を達成しました。各予測には信頼区間が含まれているため、予測の信頼度を把握することもできます。
結果:月末に請求書が届いて初めてAIの請求額が予想外に高額になっていたことに気づく事態を避けることができます。消費を予測し、予算超過の可能性を早期に特定して、コストが発生する前に適切な調整を行えるようになります。
コスト管理からAIによる価値創出へ
コスト管理だけでは、課題の半分しか解決できません。最も安価なAIツールが最も価値が高いとは限りません。また、有意義な成果を生み出しているのであれば、消費量が多くても十分に正当化できる場合があります。
AI投資が成功しているかどうかは、トークン数だけでは判断できません。コストだけでなく、活用状況、生産性、品質、そして最終的にAIがもたらす成果も併せて評価する必要があります。
Tokenomicsでは、これらの要素を関連付けることができます。活用状況、使用状況、コスト、生産性に関するシグナルを統合することで、AIが効果的に活用されている領域、消費が非効率である可能性のある領域、投資を拡大すべき領域を特定できます。目標は、論点を「支出をいかに抑えるか」から「AI支出からいかに多くの価値を引き出すか」に移すことです。
このアプローチが、Agent Observabilityのより広範な機能を補完します。Agent Observabilityでは、トークン消費、コスト、エージェントの挙動、AIワークロードを支えるインフラと併せて、AIの品質を評価できます。これらのシグナルを組み合わせることで、単一のメトリクスだけを最適化するのではなく、コスト、品質、パフォーマンスの最適なバランスをエビデンスに基づいて判断できるようになります。
エージェンティックAIの財務アカウンタビリティを実現
AI支出は、非常に細分化され、変動しやすく、複数のプロバイダー、チーム、ツール、ユーザーに分散するようになっています。従来の月次のコストレビューでは、このような運用モデルは想定されていません。FinOpsがクラウドにもたらしたのと同じような管理手法(コスト配分、予測、最適化、アカウンタビリティ、ガバナンス)をAIに適した形で取り入れる必要性が高まっています。
こうした管理手法をAgent ObservabilityにもたらすのがTokenomicsです。AIスタック全体の可視性とコストの帰属分析を統合することで、投資すべき領域、最適化すべき領域、拡張すべき領域について、データに基づいたより適切な意思決定を行うことができます。
最終目標は、単にトークン消費量を減らすことではありません。すべてのトークン、そしてAIに対するすべての投資を、ビジネスに最大限に活かすことです。
Tokenomicsをぜひご活用ください
Agent Observabilityが、コーディングエージェントの使用状況とコストの把握、トークン消費の最適化、AI投資と測定可能な価値との関連付けにどのように役立つかについて詳しくは、SplunkのWebサイトをご覧になるか、関連するドキュメントをお読みください。Splunk Observability Cloud Free Editionですぐにお試しになることもできます。
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