ネットワーク監視の基本:ネットワークの効果的な監視方法
IT Laiba Siddiquiネットワークを円滑に運用したいと考えていても、ネットワークを停止させることなく最適な状態で確実に稼動させるには、どうすればよいでしょうか?
その答えがネットワーク監視です。
ネットワーク監視では、ネットワークのパフォーマンス、可用性、全体的な機能を監視します。これにより、エンドユーザーに影響が及ぶ前に問題を特定して解決できるようになります。以下で、詳しく説明します。
ネットワーク監視とは?
ネットワーク監視とは、コンピューターネットワークのパフォーマンス、可用性、稼動率を追跡する手法のことです。ユーザーに影響が及ぶ前に問題を特定し、トラブルシューティングを行えます。そのため、一部のツールでは、ルーター、スイッチ、サーバーといったネットワークデバイスからデータを収集して分析し、潜在的な問題を特定できます。
ネットワーク監視がビジネスの規模や業界を問わず必要になるのは、次の点で役立つためです。
- ユーザーが常に利用できるようにネットワークを維持する
- 問題をすばやく特定し、トラブルシューティングを実行する
- ネットワークのパフォーマンスを向上させる
- コンプライアンス要件を満たす
- コストを削減する
ネットワーク監視は、IT運用に欠かせない要素です。一般的に、ネットワーク担当者が、ネットワークオペレーションセンター(NOC)を支えています。
ネットワーク監視の種類
ネットワーク監視には主に4つの種類があり、それぞれ目的と対象範囲が異なります。以下に、簡単に説明します。
- パフォーマンス監視:帯域幅の使用状況、パケットロス、レイテンシーなど、ネットワークのパフォーマンスに注目します。ネットワークのボトルネックを調査し、パフォーマンスを最適化します。
- 可用性監視:ユーザーが常に利用できるようにネットワークを維持します。ネットワークの可用性に影響している障害を特定し、問題のトラブルシューティングを実行します。
- 構成監視:ネットワークが適切に構成され、最新の状態であることを確認します。問題につながる可能性のある構成ミスを把握できます。
- クラウド監視:クラウドベースのアプリケーションやサービスのパフォーマンスと可用性を中心に監視します。
(アプリケーションパフォーマンス監視についてはこちらをご覧ください)
ネットワーク監視とネットワークセキュリティ監視の違い
ここで1つ明確にしておきたいことがあります。ネットワーク監視とネットワークセキュリティ監視の違いについてです。一方はもう一方の一部といえます。
- ネットワーク監視:ネットワーク上のすべてのアクティビティを監視し、帯域幅の使用状況、パケットロス、レイテンシーに関するデータを収集します。このデータを利用して、ネットワークの問題を特定し、トラブルシューティングを行うことができます。
- ネットワークセキュリティ監視(NSM):ネットワーク上のセキュリティ脅威を検出して対応します。ネットワークトラフィックのパターン、不審なログイン試行、マルウェア感染に関するデータを収集します。このようなデータはすべて、セキュリティ脅威を検出して対応するために利用できます。
ネットワーク監視システムの仕組み
ネットワーク監視システムは、一連のソフトウェアツールで構成され、ネットワークインフラを常に監視できます。トラフィックパターン、サービスの可用性、パフォーマンス指標などの側面を監視します。
問題が発生した際には、テキスト、メール、またはSlackなどのアプリケーションを通じてネットワーク管理者に自動的に通知を送信できます。ネットワーク監視システムの導入には、次のようなメリットがあります。
- 問題を迅速に解決する
- ただちにROIを獲得する
- 障害に関する事前対策を打つ
- 問題を未然に検出する
ネットワーク監視プロトコル
プロトコルとは、ネットワーク上のデバイスが相互に通信し、データを送信するためのルールのことです。ネットワーク監視の標準的なプロトコルには、SNMPとICMPの2つがあります。
SNMP (Simple Network Management Protocol)
SNMPは、ネットワーク要素を管理するアプリケーション層プロトコルです。スイッチ、モデム、WLANコントローラー、ルーターなどのネットワークデバイス間で共有される管理情報を交換したり抽出したりします。この情報は、以下に基づいてネットワークのパフォーマンスを監視するために使用します。
- 帯域幅の使用率
- インターフェイスのステータス
- レイテンシー
- CPU使用率
ICMP (Internet Control Message Protocol)
ICMPはエラーを通知します。ネットワークデバイスで使用されるプロトコルで、要求されたサービスまたはホストが利用できないことや、宛先までの経路上にあるルーターが正しく機能していないことなどを示すエラーメッセージを送信します。
ネットワーク監視の重要性とユースケース
IT監視は、戦略的かつ効果的に活用することで、テクノロジーを利用してビジネスを推進するための、あらゆる種類の重要なユースケースを強化できる基本的な活動です。ここでは、小規模なソフトウェア企業から大手テクノロジー企業まで、あらゆる企業がネットワークを監視している理由をご紹介します。
障害に関する事前対策を打つ
監視チームを適切に展開すれば、潜在的な問題を未然に検出できるため、ユーザーに影響が及ぶ前に問題を解決できます。
たとえば、帯域幅の過負荷によりネットワーク全体が遅くなり、ビジネス運営に影響を与えそうな場合を考えてみてください。その場合でも、効率的な監視戦略を導入していれば、業務に影響が及ぶ前に、監視チームがこの問題を検出してトラブルシューティングを行うことができます。
これまで以上に迅速に問題を解決する
ネットワークがダウンしてから時間が経過するほど損失が拡大します。設定ミスやトラフィックの異常な変動に対処する場合に適切なソフトウェアを使用すれば、何が起こっているのかをすばやく把握し、問題をすぐに解決できます。
ネットワークの複雑さに対処する
複数のオペレーティングシステム、仮想化、ハイブリッドクラウド環境を活用すると、ネットワークが複雑になります。このような複雑さによって、新たな脆弱性や課題が生まれます。こうした問題に対応する上で、ネットワーク監視は以下の点で役立ちます。
- システムに必要な帯域幅を確保するためにリソースを割り当てる
- ボトルネックを特定して防止する
ITリソースを効率的に活用する
システム内のハードウェアとソフトウェアツールを組み合わせることで、ITチームの手動作業を減らすことができます。これにより、スタッフは優先度が高く、組織にとって重要なプロジェクトに時間を費やせるようになります。
パフォーマンスの問題に関するインサイトを早期に発見する
ネットワーク管理者は、ネットワークが最適に動作しているかどうかをリアルタイムで判断するのに必要な情報を得られます。また、監視ソフトウェアを使用して、障害を特定したり効率性を高めたりと、さまざまなことを行えます。
適切なセキュリティを確保して法令を遵守する
ネットワークトラフィックのパターンと異常を監視することで、セキュリティ侵害、不正アクセス、異常な動作を検出できます。これにより、以下のことが可能になります。
- セキュリティ脅威を軽減する
- 常にタイムリーに対応する
- 機密データを保護する
- 規制コンプライアンスを維持する
ネットワーク監視における課題
ネットワーク監視ではさまざまな課題に直面する可能性があり、それらを防ぐための適切な戦略が必要になります。ここでは、認識しておくべき問題をいくつかご紹介します。
ネットワークの可視性の欠如
問題が発生しても、ネットワークを適切に可視化できていなければ、トラブルシューティングで勘に頼りがちになります。問題の根本原因を探る際に見当をつけられないのは、ネットワークを十分に可視化できておらず、ネットワーク管理者が、ネットワークを構成するデバイスや接続といった全体像を把握できていないためです(オブザーバビリティがこの問題の解決策になります。オブザーバビリティの応用、またはフルスタックのオブザーバビリティと呼ばれる場合もあります)。
ネットワーク構成図を作成できる機能を備えたネットワーク監視ツールを使用して、ネットワークの全体像を視覚的に表しましょう。こうすれば、ネットワーク上のデバイスと接続を把握できるようになります。
パフォーマンスベースラインの設定
ネットワークが拡大し、進化するにつれて、トラフィックとリソースの利用パターンも変化することがあります。それまでは普通と考えられていたことが、通用しなくなっているかもしれません。そうなると、画一的なベースラインでは適切に対処できなくなります。
履歴データや傾向を分析して効率的にベースラインを生成し、自動的に設定できる監視ツールの導入を検討しましょう。また、ベースラインの精度をテストするために、管理下で試験的な変更を加え、監視システムの応答を確認する必要もあります。
ベースラインは静的なものではありません。そのため、ネットワークの進化や利用パターンの変化に応じて、ベースラインを適応させ、改良できるよう準備しておきましょう。
膨大なパフォーマンスデータの処理
ネットワークでは、毎秒膨大な量のデータが生成されます。これには次のデータが含まれます。
- トラフィックの統計
- デバイスのステータス
- 帯域幅の使用率
このような膨大な量のデータは、監視システムを圧迫し、パフォーマンスのボトルネックを引き起こします。すべてのデータが同じ重要性を持つわけではありません。関連性の高いデータポイントのみを取得するフィルタリングメカニズムを実装し、データを集約して、重要な情報を保持しながらデータ量を削減しましょう。
障害の特定と根本原因分析の実施
現代のネットワークは、相互接続された数多くのコンポーネント、デバイス、プロトコルで構成されており、その複雑さと動的な性質によって障害の特定が難しくなっています。障害を特定できないと、パフォーマンスの問題を引き起こしている原因を正確に把握することはできません。
これを解決するには、エンドツーエンドの監視を実装して、送信元から宛先までのデータフローを追跡します。そうすることで、経路上のボトルネックや障害を特定し、問題の根本原因を判断できるようになります。
わかりやすいネットワーク構成図の作成
ネットワーク構成図は、ネットワークコンポーネント、デバイス、インフラ要素間の関係や接続を示すものです。しかし、ネットワーク構成は複雑かつ技術的なため、解釈が難しいこともあります。
この問題を克服するには、標準的なガイドラインを確立し、記号、色、用語などを統一します。次に、論理、物理、運用など、情報を階層ごとに分けて構成図を作成します。
こうすることで、不要な情報に気を取られることなく、関連性の高い要素に目を向けることができます。
処理能力の計画
ネットワーク上では、多様なアプリケーションが運用されており、それぞれ帯域幅とリソースの要件は異なります。また、各アプリケーションのトラフィックは、時間帯、曜日、特別なイベントなどの要因によって、時間とともに変動します。
この変動性により、先を見据えて処理能力の要件を正確に予測することは困難です。そのため、過去のデータや現在の傾向のデータから将来必要な処理能力を予測できる、予測モデリングの手法を採用するとよいでしょう。これらのモデルは、将来のニーズについて計画するのに役立ちます。
ネットワーク内の死角の解消
データを送信する際に暗号化やセキュリティプロトコルを使うと、トラフィックが暗号化され、監視ツールで迅速にデータを検査できないことがあります。これにより、セキュリティ脅威やパフォーマンスの問題が発生していても、監視範囲が狭いために検出されない「死角」が生まれます。
この問題を解決するには、ネットワーク内の重要なポイントをすべてカバーする監視戦略を構築する必要があります。ネットワークの主要な接続点、データセンター、入口や出口に監視ツールを展開して、すべてのポイントを確実にカバーしましょう。
分散ネットワークの管理
分散システムや分散ネットワークをサポートする場合、一元的に管理する能力に欠けるため、一貫した監視や管理の手法を実装することが困難になります。分散ネットワークでは、次のような多くのセクションにネットワークが分散しています。
- 複数のリモートサイト
- 支社
- データセンター
- クラウド環境
ネットワーク全体を1つの画面に表示できる、一元化された監視プラットフォームを実装することで、データの統合、パフォーマンスの分析、問題の特定をより効果的に行うことができます。
ネットワーク監視ツールとソフトウェアのベストプラクティス
ここまで読めばおそらくお気づきだと思いますが、複雑なネットワークの監視は、手動で行ったり、個別に行ったりしようとしている限り、容易なことではありません。ただし、組織のネットワーク監視を支援するソリューションは数多くあります。
そのようなアプローチのひとつとして挙げられるのが、ネットワークとシステムを個々のコンポーネントとしてではなく、すべてを統合して監視することです。これにより、各コンポーネントを個別に監視する必要がなくなります。それをお手伝いできるのが、Splunk Observabilityです。
ネットワーク監視とは、コンピューターネットワークのパフォーマンスを追跡することを指します。ビジネスの規模を問わず、ネットワークを監視して、ビジネスやユーザーの活動に影響が及ぶ前に問題を特定し、トラブルシューティングを行う必要があります。
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