ストリーム処理の定義、ツール、および課題
Observability Austin Chia意思決定にデータを利用する企業が増える中、多くの企業が実用的なインサイトをすばやく得るために、最新のデータを入手する方法を模索しています。その中でも、よく使用される手法の1つがストリーム処理です。
このブログ記事ではストリーム処理について取り上げ、その主要なコンポーネント、一般的なフレームワークとツール、および従来のバッチ処理と比較した場合の課題と利点について詳しく説明します。
ストリーム処理の基本
ストリーム処理は、トランザクション、株式情報、Webサイト分析、コネクテッドデバイス、天気予報など、さまざまなソースから継続的に生成されるデータストリームを処理し、リアルタイムで分析するデータ処理方法です。
リアルタイムのストリーム処理は、次のような用途で利用できます。
- 異常検出
- 傾向の特定
- 根本原因分析
さまざまな業界の企業が、ストリーム処理を活用して、リアルタイムデータから貴重なインサイトを得ています。以下はその例です。
- 金融機関が取引を監視して不正行為を検出
- 医療機関が患者のデータを追跡
- 運送会社がリアルタイムで交通データを分析
組織は、ストリーム処理ツールを使用することで、ストリームデータを活用して意思決定に役立つデータを出力する方法を変革できます。
一般的に、ストリーム処理はビッグデータテクノロジーで利用されます。その目的は、継続的に生成されるデータストリームに対してクエリーを実行し、短時間で迅速に状況を検出することです。ストリーム処理ハードウェアは、このようなデータストリームを効率的に処理する上で重要な役割を果たします。
ストリーム処理の重要なコンポーネント
ストリーム処理アーキテクチャが効果的に機能するためには、さまざまなコンポーネントが必要です。最新のアーキテクチャについては、このアマゾン ウェブ サービス (AWS)のホワイトペーパーをご覧ください。
ストリーム処理エンジン
ストリーム処理エンジンは、データストリームの受信、集約、処理をリアルタイムで行うためのコアコンポーネントです。低レイテンシーでデータを取り込みながら、フォールトトレランスを実現し、大量のデータ処理に対応します。
ストリーム処理エンジンには、主に次の3つのタイプがあります。
- オープンソースのコンポジションエンジン(Apache Storm)
- 管理宣言型のエンジン(Apache Spark Streaming)
- 完全管理型のセルフサービスエンジン
ストレージ
ストリーム処理のストレージは、処理済みのデータと関連するメタデータを保存するために使用されます。ローカルファイルシステム、HDFSやAmazon S3などの分散ファイルシステム、またはGoogle Cloud Storageのようなクラウドベースのサービスを利用できます。
メッセージシステム/ブローカー
メッセージシステムは、ストリーム処理アーキテクチャのさまざまなコンポーネント間で通信を可能にします。受信したデータストリームを処理し、そのデータを処理エンジンに送る作業をサポートします。
ダッシュボード/可視化ツール
ダッシュボードまたは可視化ツールは、処理されたデータをインタラクティブに表示する重要なコンポーネントで、リアルタイムデータの監視と分析を可能にします。
次のようなツールがあります。
- Tableau
- Grafana
- Power BI
- Apache Superset
人気の高いストリーム処理フレームワークとツール
ストリーム処理から得られるリアルタイムのデータを可視化したり、共有したりするには、ストリーム処理のフレームワークとツールが必要になります。
こうしたフレームワークの中でも、Apache KafkaとApache Flinkは非常に人気が高く、幅広く使用されています。
どちらのフレームワークも独自の特徴や機能を備えているため、組織はニーズやユースケースに合わせて最適なフレームワークを選択できます。
以下のセクションでは、これらのフレームワークの概要を説明するとともに、その他の優れた選択肢について取り上げます。
Apache Kafka
Apache Kafkaは人気の高いオープンソースのストリーム処理プラットフォームで、リアルタイムのデータフィードを管理するための高スループットかつ低レイテンシーの統合システムを提供します。
主な特徴は次のとおりです。
- オープンソース
- 優れたスケーラビリティ
- 大量のデータ処理に対応
- フォールトトレランス
- 多数の統合を実現
- 高い信頼性
- 優れた耐久性
Kafkaはリアルタイムのデータフィードを効率的に処理するように設計されているため、大量かつ高速で多様なデータストリームを管理できます。また、継続的なデータ取り込みとリアルタイム分析をサポートしているため、企業は適切なタイミングで情報に基づいた意思決定を下すことができます。
Apache Flink
Apache Flinkも人気の高いオープンソースの分散ストリーム処理フレームワークで、データストリームに対するステートフルな計算を可能にする強力な機能を提供します。
Flinkは次の機能をサポートします。
- ストリーム処理とバッチ処理(実行モード)
- 高度なステート管理
- イベント時間処理のセマンティクスに対応
- Exactly-Onceのストリーム処理による一貫性の保証
Flinkはデータストリームに対するステートフルな計算を容易にする独自のデータ処理フレームワークで、制限なしと制限ありの両方のデータストリームを処理します。そのため、このツールはビッグデータやストリーミングアプリケーションの処理に最適です。
パフォーマンス面では、Apache FlinkはApache Sparkよりストリーム処理が高速だと考えられています。
その他の一般的なフレームワークとツール
Apache KafkaやApache Flink以外にも、次のようなストリーム処理のフレームワークやツールがよく知られています。
- Apache Storm
- Samza
- Google Cloud Dataflow
- Amazon Kinesis
- Azure Stream Analytics
どのフレームワークも、ストリーム処理に役立つ独自の特徴や機能を備えています。また、Amazon、Google、Microsoftなど、異なるアーキテクチャのエコシステムの一部としても動作します。
データの統合を強化するには、現在利用中のテクノロジースタックを活用して、自社のエコシステムソリューションと適切に統合する必要があります。
ストリーム処理の課題
優れた機能やスピードにもかかわらず、ストリーム処理には独自の課題があります。主な課題は次のとおりです。
- スケーラビリティの確保
- フォールトトレランスの維持
- コスト効率が高いデータ利用の維持
- データの一貫性の確保
- イベント順序の管理
ストリーム処理テクノロジーを十分に活用し、その高いコストに見合う成果を獲得するには、このような課題に取り組むことが不可欠です。
スケーラビリティとフォールトトレランス
スケーラビリティは、ストリーム処理における重要な考慮事項です。スケーラビリティがあれば、データストリームが増加しても、パフォーマンスを低下させることなく処理できるからです。ストリーム処理システムは、アプリケーションの要件に合わせて迅速かつ効果的にスケールアップやスケールダウンができるものでなければなりません。
フォールトトレランスも、ストリーム処理におけるもう1つの重要な要素です。フォールトトレランスがあれば、どのようなシステム障害が起きても、処理を中断せずにシステムを回復できるからです。
フォールトトレランスのメカニズムを実装することで、ストリーム処理システムはどのような障害からも回復し、データ処理を中断なく継続できるため、システムの信頼性と可用性が保証されます。
クラッシュなどの障害に対処する手段には、次のようなものがあります。
- アクティブレプリカ
- パッシブレプリカ
- 障害回復
費用対効果
ストリーム処理では、大量のデータをリアルタイムで処理するのに高性能なコンピューティングリソースが必要になるため、コストがかさむ可能性があります。企業は必要な特徴や機能を慎重に評価し、コストとパフォーマンスの最適なバランスを維持できるシステムを選択する必要があります。
これには、リアルタイムフィードを必要とするデータポイントを慎重に選択する作業も含まれます。
データの一貫性と順序付け
データの一貫性とイベントの順序は、ストリーム処理にとって不可欠な要素です。これらは、データが正しい順序で処理され、一貫性のある結果が生成されることを保証する重要な要素であるためです。ストリーム処理システムは、データが正しい順序で処理され、その結果がシステム内のすべてのノードで一貫していることを保証できるものでなければなりません。
分散システムでは、データの一貫性の確保と適切な順序付けが難しくなる場合がありますが、データストリームの整合性を維持し、イベントを正しい順序で処理するには、データの一貫性と順序が極めて重要になります。
ストリーム処理とバッチ処理の違い
ストリーム処理はリアルタイムデータの管理に多くの利点をもたらしますが、ストリーム処理とバッチ処理に適したシナリオや用途はそれぞれ異なるため、バッチ処理も重要です。
2つの処理の違いは次のとおりです。
ストリーム処理は、継続的なデータ取り込みとリアルタイム分析を必要とする用途に最適です。一方、バッチ処理は、スケジュールに従って定期的に行われるデータ処理タスクや、リアルタイム処理が不要なシナリオに適しています。
ストリーム処理の利点
ストリーム処理には、バッチ処理と比べて多くの利点があります。最も重要な利点の1つは、システムに入力されたデータをリアルタイムで処理できることです。データが収集されてから処理されるまでの待ち時間がないため、迅速な分析や意思決定が可能になります。
そのほかにも、ストリーム処理には次のような利点があります。
- 最小限のレイテンシー
- 組み込みの機能で不完全なデータを処理
- データストリームに対するSQLクエリーの実行
- 予測可能で再現性のある結果
- 複数のプロセッサーとノードにまたがるアプリケーションの自動スケーリング
こうした機能を備えたストリーム処理は、データから価値あるインサイトをリアルタイムで獲得したいと考える企業にとって強力なツールとなります。
バッチ処理を選択すべきケース
バッチ処理が適しているのは次のような用途です。
- 定期的なデータ処理タスク
- 大量のデータセットの処理
- タイミングを問わない履歴データ分析
- ETLワークフロー
- 単純な処理
- 費用対効果
バッチ処理とストリーム処理のどちらにするかを決める際は、データの量、リアルタイム処理の必要性、およびタスクの複雑さを考慮する必要があります。
バッチ処理は、特定の周期で大量のデータを処理するのに適しており、管理や最適化が容易です。一方、ストリーム処理は、リアルタイムデータを継続的に処理するのに適しています。
まとめ
ストリーム処理は、組織がデータをリアルタイムで処理し、分析できるようにする強力なテクノロジーであり、従来のバッチ処理方法と比べて多くの利点をもたらします。
リアルタイムのインサイトに対する需要が高まり続ける中、ストリーム処理がデータドリブンな意思決定の未来においてますます重要な役割を果たすことは間違いありません。
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